偵察能力をアピール? 「10時3分10秒」 米原潜捕捉時間を秒単位で公表した北朝鮮

金与正副部長が主張「軍事偵察衛星が捕捉」
韓国軍「韓国メディアの報道から逆算と推定」

 上記の韓国軍筋は「秒単位まで具体的に言及したが、北朝鮮がこれを独自の監視資産によって入港を把握したのであれば、韓国メディアが報道する前に公表するか、あるいは衛星写真も同時に公開したはずだ」と指摘した。別の韓国軍関係者も「具体的には明らかにできないが、北朝鮮の偵察衛星から情報が伝わったとは考えられない根拠もある」と説明した。峨山政策研究院の梁旭(ヤン・ウク)研究委員は「北朝鮮は自分たちの偵察衛星では米軍潜水艦を捕捉できないだろう」「スパイやネットの情報などから時間を把握した可能性が高いと考えられる」との見方を示した。

 一部では北朝鮮がロシアの偵察衛星などから入港時間を把握した可能性も指摘されている。しかし韓国軍当局はこれまで北朝鮮とロシアの軍事協力について「軍事偵察衛星の情報を共有するレベルではない」と判断している。

 韓国軍は昨年5月に北朝鮮が発射に失敗した万里鏡1号を海底から引き上げ、その際北朝鮮は万里鏡1号に商用のデジタルカメラを地上観測用に搭載していたことがわかった。これは「グーグルアース」よりも解像度が低い。この結果、当時韓国軍合同参謀本部は「偵察衛星としての軍事的効果はない」との評価を下した。

 今回金与正副部長は原子力潜水艦(SSN)のバーモントを「戦略資産」と呼び、核攻撃が可能な「弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)」と主張した。これについて上記の韓国軍筋は「攻撃型原子力潜水艦(SSN)を弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)と同じものとごまかし、緊張を高め次の挑発の大義名分を積み上げているようだ」と指摘した。

ヤン・ジホ記者

【写真】釜山作戦基地に入港する米原潜「バーモント」

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  • ▲北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長/労働新聞、news1
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