台湾経済を主導する企業が鴻海からTSMCに変わり、対中依存度が低下したことも、台湾経済の体質改善に役立った。台湾はイノベーション企業の育成にも積極的だ。台湾専門家の王樹鳳・亜洲大教授は「台湾は法人税率(20%)が韓国(24%)より低く、さまざまな減免で実効税率も低い。TSMCのような先端未来産業に対する政府の規制が相対的に少ない」と話した。
インドは中国より人口が多く、堅調な内需を土台に流通企業や金融業などが新たに産業を主導している。韓国投資信託運用のヒョン・ドンシク海外ビジネス本部長は「中国の成長戦略を模倣したモディ政権の製造業育成政策である『メイク・イン・インディア』の後押しで中国のような成長を再現させる可能性が高い。今後も建設、金融などの分野で新たな企業が登場するのではないか」と話した。
内需市場が堅調なインドでは、石油・通信大手のリライアンス・インダストリーズ、財閥タタ・グループ所属のIT企業、タタコンサルタンシーサービスの株価が年初来それぞれ13%、12%上昇した。これら有望株だけでなく、インドの金融大手ICICI銀行が時価総額4位に浮上するなど株式市場の躍動性が高まった。
■企業支配構造、金融投資所得税など韓国株の低評価要因依然
韓国では次世代の成長産業が不在であるばかりか、コリアディスカウント(韓国株低評価)を解消する上で、企業支配構造も解決すべき課題として挙げられる。アジア企業統治協会(ACGA)は昨年、韓国の企業支配構造の順位をアジア12カ国・地域で8位と評価した。日本(2位)はもちろん、香港・インド(6位)より低い。ACGAはアジアの企業統治環境を改善するために1999年に設立された非営利団体だ。
ACGAのアマル・ジル事務局長は「韓国で企業支配構造を改善するための政府のロードマップが存在しないことは問題であり、株主の権利を強化するための立法が遅れている」と指摘した。来年に金融投資所得税が導入されるかどうかが決まらず、韓国株式市場から機関投資家が離脱するなど、株価下落の懸念要因も依然残っている。
キム・スンヒョン記者、李恵云(イ・ヘウン)記者