「中国は半導体を除けば韓国に追い付き、大半は追い越した」「もはやわれわれ韓国人が知っている中国ではない」(上)

韓国貿易協会、中国駐在企業幹部30人にインタビュー

 特に比亜迪(BYD)、百度(バイドゥ)などを中心に自動運転車の開発に乗り出している中国自動車業界の崛起(くっき)を恐れる反応が目立った。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の調査によると、2022年に中国で生産された自動運転車は約700万台で、前年に比べ45.6%増加した。自動車部品メーカーの現地法人トップは「中国は最近4年間、大規模なスマート化、電動化を推進してきた。武漢などでは運転者がいない自動運転レベル3、4のタクシーが既に営業している。韓国は依然レベル1、2の自動運転機能を自動車に搭載するにとどまっている」と話した。また、別の自動車部品メーカーの現地法人トップは「中国の工場では既に韓国より先にコンベアベルトのない工場を導入している」と語った。

 韓国IT企業の現地法人トップは「サムスンの折り畳み式スマートフォンが中国・華為(ファーウェイ)の製品より優れているとは決して自信が持てない」と漏らした。実際華為は最近、三つ折りできるモデル(トリフォルドフォン)をサムスン電子に先駆けて世界で初めて発売し、中国市場で人気を集めている。昨年中国で出荷された華為などの折り畳み式スマートフォンは、前年より370万台(114.5%)以上増え、700万台に達した。これは昨年韓国が生産した折り畳み式スマートフォン(約190万台)の3.6倍だ。

 鉄鋼・石油化学業界は中国で立つ瀬がなくなっている。鉄鋼業界の現地法人トップは「以前は中国製品の品質が低かったが、最近数年間で技術力が急激に向上し、今は差がない」と話した。石油化学業界の現地法人トップも「中国国内では韓国の大企業が無名のスタートアップ程度の規模でしかないという話も聞かれる」と述べた。KOTRAの調査などによると、中国の昨年の鉄鋼輸出量は前年比35.2%増の9120万トンで、石油化学の基礎材料であるエチレンの生産量も5174万トンを記録し、米国を抜き世界1位になった。

■従業員は必要ならば徹夜、経営陣は迅速な意思決定

 インタビューに応じた現地法人トップらは中国企業の「迅速な革新」が可能となる最も重要な秘訣として「柔軟な勤労体系に基づく仕事のスピード」を挙げた。中国の労働法では、基本労働時間は週40時間で、超過勤務は月最大36時間まで可能だ。しかし、そうした規制は事実上大きな意味を持たず、実際には補償さえ十分に受けられるのであれば、勤労者が積極的に仕事をしたがるということだった。

 電子業界の現地法人トップは「大半のIT企業は夕方11時に退勤し、必要ならば週150時間勤務も可能だ」と話した。仕事が多ければ徹夜し、仕事がない時に長く休む柔軟な文化が定着しているのだ。(後編に続く)

柳井(リュ・ジョン)記者、ソ・ユグン記者、チョ・ジェヒョン記者

【グラフィック】中国現地の外資企業トップによる発言録

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