ロシア保健相が、勤務中の休憩時間を利用した性関係によって出生率を上げるべきだという趣旨の発言をして物議を醸している。ロシアではプーチン大統領までもが女性の多産を強調するなど、少子化対策に苦心している。
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ロシアのエフゲニー・シェストパロフ保健相はこのほど、番組インタビューで「仕事で忙しいというのは、子どもを作らないことに対する言い訳にならない」と言った。司会者が「一日12時間以上勤務する人もいるが、いつ子どもを作れるだろうか」と聞くと、同保健相は「(昼休みなど)休憩時間にすればいい。人生はあまりにも早く過ぎていくから、こうでもしなければならない」と答えた。
プーチン大統領も、女性に対してより多くの子どもを産むよう、たびたび強調している。米誌ニューズウィークなどによると、プーチン大統領は18日、サンクトペテルブルクで行われたユーラシア女性フォーラムのスピーチで「ロシアは伝統的に女性を尊重してきた。今は女性が職業的に成功しながらも、多くの子どもを持つ家庭の守護者としてとどまることができる環境が作られている」と述べた。同大統領は昨年も「私の祖母の世代はだいたい7-8人、あるいはもっと多くの子どもを産んだ。こうした素晴らしい伝統を復活させよう」と言った。
ロシア政府がこのような「対策」まで出したのは、出生率が急激に下がっているためだ。ロシアは今年7月、合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に出産する子供の人数の平均)が1.4にまで下がった。これは人口維持に必要な2.1を大きく下回り、現在約1億4000万人の人口が2050年には1億3000万人台を切るものと予想されている。しかも、2022年のウクライナ侵攻以降、状況はさらに悪化している。少なくとも100万人を超える国民が海外に移住し、戦場で命を失う青年たちも増え続けている。
これを受けて、モスクワ市では18-40歳の女性を対象に無料で妊孕(にんよう)性検査を実施している。また、ロシア政府としては妊娠中絶の条件を厳しくし、離婚費用を引き上げるなどの対策も進めている。
キム・フィウォン記者