貧困に苦しむ韓国の個人事業者…4人に3人は毎月の稼ぎが11万円未満

総合所得税申告内容の分析で明らかに

年間所得「0ウォン」も94万人

高金利と物価高が自営業者を直撃

 韓国の個人事業主のうち4人に3人が税務署などに申告した毎月の所得が100万ウォン(約11万円)に満たないことが分かった。韓国の自営業者の多くが貧困に苦しんでいる実態があらためて浮き彫りになった。

 国会企画財政委員会に所属する与党・国民の力の朴成訓(パク・ソンフン)議員が国税庁から提出を受けた資料によると、2022年に総合所得税を申告した146万4368人の個人事業主のうち、860万9018人(75.1%)が毎月の所得が100万ウォン以下、年間1200万ウォン(約130万円)に満たなかった。年間の所得を0(ゼロ)ウォンと申告した個人事業主も94万4250人(8.2%)に達した。総合所得税申告分は「利益」の概念であり、事業主が稼いだ売上高から人件費などの経費を除いた額となる。

【グラフィック】月収が100万ウォンに満たない個人事業主の数の推移

 4人世帯の最低生計費(生活保護費に相当)が今年度約183万ウォン(約20万円)である点を考慮すると、自営業者の多くが必要な最低限の稼ぎを得られていないことになる。最近は低所得自営業者の数が増加傾向にある。月収100万ウォン未満の個人事業主は2019年には610万8751人だったが、その後3年間で41%も増加した。物価高と高金利で消費者が財布のひもを締めているため、生活が苦しくなった自営業者がその分増えているのだ。

 ただし個人事業主の場合は法人とは違い第三者から会計監査を受ける義務がないため、申告された月収は実際よりも少ないとの指摘もある。事業主個人の生活費などを事業経費に計上し、総合所得税を少なく申告するケースがあるからだ。また個人事業主の中には通常の「自営業者」に分類される食堂や小売店の他に賃貸住宅事業者、配達ドライバー、代理運転ドライバー、ゴルフのキャディなども含まれている。たとえば副業としてたまに代理運転をする個人も国税庁の統計では低所得事業主に分類されることがある。

クォン・スンワン記者

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