金建希夫人をユーチューバーのストーカー行為から一切守れない大統領警護処【9月19日付社説】

 あるユーチューブチャンネルが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の妻・金建希(キム・ゴンヒ)夫人が15日深夜1時ごろにソウル漢南洞の大統領官邸周辺を愛犬と散歩する様子を撮影した動画を公開した。このユーチューバーは大統領選挙前の2021年7-12月の期間、48回にわたる約7時間50分の金建希夫人との通話を録音し、これを公共放送局MBCに提供したという。裁判所は金建希夫人が訴えた民事訴訟でこのユーチューバーに1000万ウォン(約110万円)の賠償を命じる判決を下した。このユーチューバーはその後もチェ・ジェヨン氏と共に金建希夫人のブランドバッグ受領の極秘撮影に協力した。こんな人物が今度は深夜に金建希夫人を撮影したのだ。悪意のあるストーカーと言わざるを得ない。

【写真】大統領官邸周辺をペットを連れて散歩する金建希夫人

 このユーチューバーは金建希夫人が訪問した官邸近くのコンビニの販売員に接近し、金建希夫人がこのコンビニにたびたび立ち寄ることや、この日も飲み物や菓子を購入したとの話を極秘撮影し公開した。ユーチューブチャンネルは「秋夕(チュソク=中秋節、今年は9月17日)になって民心は最悪だが、深夜に犬を散歩に連れ出した」「外出を控えていた過去の大統領夫人とは違う姿」と主張している。しかし実際はかつての大統領夫人らもSPらと共に青瓦台(韓国大統領府)周辺を散歩することはあった。ただ金建希夫人を攻撃するためだけの完全なごり押し論理を前面に出しているのだ。

 こんな人物が深夜に再び自らの車で金建希夫人に近づき、金建希夫人をドライブレコーダーで極秘に撮影できたことも通常の話では片付けられない。金建希夫人や大統領室はもちろん、SPらも一連の事態を把握していなかったからだ。文在寅(ムン・ジェイン)前政権当時国家保安法違反容疑で取り調べまで受けたチェ・ジェヨン氏が、大統領の妻に複数回会い、ブランドバッグを手渡し、これを極秘で撮影するという事態も大統領警護処は見逃していた。警護の基本が守られていないのだ。官邸周辺で何者かが金建希夫人の動きを調べ回っていたが、これも全く把握できていなかった。警護処の能力がこの程度なのか、あるいは何か公表できない理由があるのか気になるところだ。

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  • ▲大統領官邸周辺をペットを連れて散歩する金建希(キム・ゴンヒ)氏。この様子を撮影した動画はソウルの声がユーチューブに公開した。ユーチューバーは「ドライブレコーダーで撮影した」と主張している。
  • 金建希夫人をユーチューバーのストーカー行為から一切守れない大統領警護処【9月19日付社説】

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