17世紀日本の権力闘争を描いた米ドラマ『SHOGUN 将軍』、エミー賞18部門席巻

単一作品としては最多の受賞

 主人公「吉井虎永」を演じた真田広之(63)は制作にも関与しており、真田は「日本人が見てもおかしくない日本を描こう」という原則にこだわったという。衣装・小道具・せりふの一つ一つを検討し、違和感があればすぐに修正するという方式だった。真田は8月、読売新聞の取材で「誤解された日本を描く時代を終わらせたかった」と語った。18日に日本人として初めてエミー賞の主演男優賞を取った真田は「今回の作品は東(東洋)と西(西洋)が壁を越えて互いを尊重する夢のようなプロジェクトだった。世界と本当に通じ合う日本の時代劇を作り、うれしく思う」と語った。

 今年のエミー賞では、『SHOGUN 将軍』だけでなく、江戸時代を舞台にしたNETFLIXアニメ作品『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』(昨年11月配信)がアニメ部門賞を取った。17世紀の日本を舞台とし、日本語のせりふを基本にしたという点は『SHOGUN』と似ている。このアニメ作品もまた米国の制作チームが作り、粗筋も米国人が書いた。公演文化の聖地、英国ロンドンの「ジリアン・リン・シアター」では来年4月、アニメの巨匠・宮崎駿の『となりのトトロ』が演劇として披露される予定で、米国ハリウッドでは1982年から90年にかけて連載されたSF漫画『AKIRA』の実写版制作が最近決まるなど、英米圏資本の日本コンテンツ制作は増える傾向にある。NHKなど日本メディアは「西洋エンターテインメント業界で多様性が強みとして位置付けられたことを示す」と報じた。

 日経新聞は、22年にNETFLIXの韓国ドラマ『イカゲーム』がエミー賞で監督賞・主演男優賞などを受賞したことに言及しつつ「今年の『SHOGUN 将軍』のヒットは韓国ドラマの躍進が土壌となった」と伝えた。エミー賞にはもともと、米国のテレビで放映された作品しかノミネートできなかったが、NETFLIX・Disney+などOTTの拡大後は、テレビ放映されていなくても米国企業が制作に関与していればノミネート資格を満たしたとみなしている。

金東炫(キム・ドンヒョン)記者

【写真】知略に優れた「吉井虎永」役を務めた俳優・真田広之

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