【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)が収束し、海外旅行が再び増えている中、韓国で外貨の不正持ち出し・持ち込みの取り締まり件数が急増していることが、17日までに分かった。
与党「国民の力」の朴成訓(パク・ソンフン)国会議員が関税庁から提出を受けた資料を分析した結果、今年1月から5月までの外貨不正持ち出し・持ち込みの取り締まり件数は363件、204億ウォン(約21億6000万円)規模に上った。
新型コロナの感染拡大により出入国が制限されていた2021年の1年間に摘発された369件(143億ウォン規模)に迫る水準だ。
21年と22年には米国を対象とする外貨の不正持ち出し・持ち込みが最も多かったが、円安効果で韓国人の日本旅行が増えた昨年と今年は日本が米国を大幅に上回った。
日本を対象とする外貨の不正持ち出し・持ち込みは21年の35件(43億ウォン)、22年の121件(47億ウォン)から昨年は232件(97億ウォン)に増え、今年は5月時点で120件(58億ウォン)が摘発された。
朴議員は「外貨の不正持ち出し・持ち込みは違法薬物の購入や密輸、ボイスフィッシング(電話による金融詐欺)など犯罪の手段に悪用されるだけでなく、最近は仮想資産(暗号資産)購入のための事例も確認されるなど増加傾向にある」とし、「徹底した取り締まりとともに近隣国との緊密な協力体制を構築し、外貨の不正持ち出し・持ち込みは必ず摘発されるという社会的認識を植え付けなければならない」と強調した。