韓国外交部と国防部(いずれも省に相当)主催で9−10日にソウルで開催された「軍事領域における責任ある人工知能(AI)利用(REAIM)」サミットで軍事分野におけるAIの倫理的使用に関する文書「行動のための青写真」が採択された。参加96カ国のうち韓国、米国、英国、フィンランド、ラトビアなど61カ国が支持を表明したこの文書は、軍事分野におけるAIの恩恵を認める一方で、核兵器を含むあらゆるAI使用に人間が介入し統制すべきと強調している。
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米国やイスラエルなどは爆撃目標の設定にAIを活用していることがすでに知られているが、そのような中で採択されたこの文書には「AI使用は倫理的かつ人間中心であるべき」「軍事分野におけるAIの開発・配備・利用の際には人間による適切な介入が維持されねばならない」と明記されている。さらに「人間は軍事分野でのAIの活用と効果に対する責任と責務を負い、これはいかなる場合でも機械に転嫁し得ない」とも定めた。従来の戦時国際法を含む国内法と国際法に適合する形でAIを使用すべき点も明確にした。
とりわけ核兵器運用時のAI使用については「核兵器のない世界という究極の目標を阻害せず、核兵器使用の主権的決定に資する情報提供および実行において、必須となるあらゆる行動に人間の統制と介入を維持することが重要」とも言及している。同時に「国およびテロ集団などの非国家行為者による大量破壊兵器拡散を後押しするAI技術の活用を防止する必要性」も強調された。格別な政策的関心を要する分野としては▲AI基盤の武器体系▲戦闘作戦などにおけるAIを基盤とした意思決定支援システム―などに加え、▲AIを使ったサイバー作戦・電子戦・情報戦―なども挙げられてる。
金真明(キム・ジンミョン)記者