韓日首脳 対北で韓米日協力強化を確認=国民退避・入国手続き簡素化でも協力

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は6日、来韓した日本の岸田文雄首相と会談し、北朝鮮の挑発やロシアと北朝鮮の接近など地域の脅威に対応するため韓米日の協力を強化することを確認した。また、インド太平洋地域を含む地域および国際的な協力策に関しても意見を交換した。また、来年に両国の国交正常化60周年を迎えるのを前に、尹政権発足後から続く関係改善の流れを維持すべきだとの考えで一致した。

 韓国の金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長によると、両首脳はこれまでの協力の成果を振り返り、実質的な協力進展策や朝鮮半島情勢、韓米日協力などについて踏み込んだ意見交換を行った。

 北朝鮮の挑発に対する強力な対応を改めて確認し、北朝鮮がロシアを後ろ盾とした挑発をできないよう、冷静な対応体制を維持することを申し合わせた。

 尹大統領は会談の冒頭で、韓日・韓米日の協力進展のために自身と岸田首相が築いてきた協力の前向きなモメンタム(勢い)を維持することが重要だとの考えを示した。岸田首相は両国間の緊密な連携が地域の平和と安定に欠かせないと強調。尹大統領が発表した南北統一構想「統一ドクトリン」への支持を改めて表明し、尹大統領はこれに謝意を示した。

 歴史問題を巡っては岸田首相が、1998年の韓日パートナーシップ宣言をはじめとする歴代内閣の歴史認識を日本政府が継承していると改めて表明。日本植民地時代の徴用問題について「心が痛む」と言及した。また、次期首相に誰がなっても両国関係の重要性に変わりはないとし、今後も両国関係のため努力する意向を示した。岸田氏は今月27日投開票の自民党総裁選に出馬しない意向を表明している。

 尹大統領は「さらに明るい未来に向かう歩みを続けられるよう、双方が前向きな姿勢で共に努力していくことを期待する」と述べた。

 両首脳は両国関係強化に向け実質的な成果を出した。第三国での有事の際の自国民退避に向けた協力覚書の締結や、入国手続きの簡素化に向けた「事前入国審査制度」での協力に加え、日本政府は太平洋戦争終結直後の1945年8月、帰郷する韓国人労働者ら数千人を乗せて青森県を出航した日本の輸送船「浮島丸」が京都府の舞鶴港で爆発・沈没した事件を巡り、「不存在」としてきた乗船者の名簿が含まれる資料19件を韓国へ提供した。

 午後3時半すぎに始まった首脳会談は少人数会合と拡大会合をあわせて約1時間40分行われた。両首脳の会談は今回が12回目で、今年に入って3回目。

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