【ソウル聯合ニュース】韓国政府は6日に開いた国政懸案関係閣僚会議で、電気自動車(EV)を国内で販売するメーカーに対しバッテリーの主な情報の公開を義務付ける内容を盛り込んだEV火災安全管理対策を策定、発表した。
先月1日に仁川市内のマンション地下駐車場で大規模なEV火災が発生したことを受けての措置。
政府は先月13日、国内で販売されているEVについて、搭載バッテリーの情報を各メーカーが自主的に公開するよう勧告していたが、今回は義務となった。
メーカーが現在公開しているバッテリーの情報は容量、定格電圧、最高出力程度だが、政府はこれに「セル」と呼ばれる基幹部品のメーカー、形態、主な原材料などの項目について公開義務を課した。
またバッテリーの安全性を政府が事前に認証する「電気自動車バッテリー認証制」の試験事業を当初の計画の来年2月から今年10月に前倒しして実施することを決めた。
来年2月からは「バッテリー履歴管理制」を導入し、EVの定期点検で行われるバッテリーの検査項目にセルの電圧、バッテリーの劣化状態などを追加する。
政府はまた、EVのバッテリーの状態をモニタリングし、バッテリーの性能と寿命を最適化するバッテリー管理システム(BMS)の機能を高め、利用者を増やすための支援を行う方針だ。
地下駐車場でのEV火災に対する懸念が高まったことを受け、今後は原則的にすべての新築建物の地下駐車場に火災の早期感知と延焼の拡大防止が可能な「湿式スプリンクラー」が設置される。
既存の建物を対象に来年1月から義務付ける予定だったEV駐車区域と充電施設の拡大は1年間の猶予期間を設けた。
また、地下駐車場でのEV火災発生時の被害拡大を防止するため、来年上半期までに関連法を改正し、地下駐車場内部の壁や天井、柱などには防火性能を備えた素材を使用することを義務付ける計画だ。
このほか、政府は来年までに240カ所ある全国のすべての消防署にEV火災を消火するための設備を置くことにした。
さらに軍用技術を使って地下駐車場への進入が可能な無人の小型消防車を年内に開発し、来年から普及させる計画だ。
韓悳洙(ハン・ドクス)首相は「電気自動車産業が成長するためには徹底した安全管理が担保されなければならない」と強調した。