中国で凶器を持って暴れていた男が、制圧しようとした警察官の銃を奪って乱射する事件が発生した。男を制圧しようとした警察官1人が死亡、2人がけがをした。容疑者は現場で射殺された。
极目新聞など中国メディアが5日に報じた。それによると、今月2日午後1時20分ごろ、中国・吉林省長春市のビル内で男が刃物を振り回して暴れた。通報を受けて駆け付けた警察官は、近くにいた住民らを避難させ、男を取り押さえようとした。
しかし男は激しく抵抗し、警察官1人が刃物で刺された。男は警察官の銃を奪うと、後から投入された武装警察に向かって発砲した。この銃撃で警察官2人がけがをした。刃物で刺された警察官は病院に搬送されたが死亡した。男は警察によって射殺された。
中国のSNS(交流サイト)には、男を制圧するために出動した警察の映像や写真が出回った。路地で車の影に隠れて攻撃態勢を取る武装警察や、地上と屋上に配置された狙撃手などの姿が映っていた。
死亡した容疑者は45歳の男で、警察はこの男が凶器を振り回した理由について調べている。民間人の死傷者は報告されていない。
香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)はこの事件について「中国で異例の銃撃戦が発生した」として「銃関連の事件は、昨年5月に中国東部・江蘇省で2人の犯罪容疑者が射殺されているのが見つかったのが最後」と報じた。
中国では最近、強力な公権力に立ち向かう事件が相次いでいる。数週間前には中国・河南省で女性判事が、自身の判決に不満を抱いた男に刃物で刺されて死亡した。
チェ・ヘスン記者