韓国野党・共に民主党と祖国革新党の議員たちが尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の秋夕の贈り物を拒否する証拠写真を交流サイト(SNS)に掲載していることについて、野党・新しい未来党の田炳憲(チョン・ビョンホン)代表が5日、「サッパの了見(サッパ=小さい魚、了見が非常に狭いこと)に成り下がった現実政治」と批判した。「秋夕」(チュソク=中秋節、今年は9月17日)は韓国で旧正月に並ぶ年中行事だ。
これは、田炳憲代表が同日、SNS「フェイスブック」に「秋夕に贈り物をやり取りするのは韓国の古くからの美風良俗だ」として、書いたものだ。
田炳憲代表は「一部の野党議員が、尹大統領からの秋夕の贈り物について受け取りを拒否し、SNSで広めている」「もちろん、強硬な支持者からは拍手され、ご本人の旗幟を鮮明にするマーケティングには役立つだろう。しかし、沈黙している多数の常識的な国民にも拍手してもらえるかどうかは大いに疑問だ」と述べた。
その上で、「戦場のように熾烈(しれつ)な国会だが、与野議員らに大統領が秋夕と旧正月に贈り物をすることもまた古い慣行であり、美徳だ」「最低限の人間的な情まで断ち切って強硬な支持層の扇動に利用するのは、残り少ない協治(与野党が少しずつ譲歩して懸案を解決していく政治)の可能性さえはねつけているという印象を与える」と述べた。そして、「サッパの了見のような政治に成り下がった第22代国会の姿は、大韓民国の羞恥(しゅうち)を代表するブランドとして位置づけられつつある」と書いた。
尹大統領が用意した秋夕の贈り物に対し、真っ先に受け取り拒否の意思を表明したのは、共に民主党の李盛潤(イ・ソンユン)議員だ。同議員は4日、フェイスブックに尹大統領夫妻が贈った秋夕のギフトセットの写真を載せ、「受け取りたくないのに、なぜまたストーカーのように一方的に送ってくるのか。遠くへは出かけない。ドアの前に置いておく」と書いた。また、祖国革新党の金峻亨(キム・ジュンヒョン)議員も贈り物を届けに来た宅配ドライバーに直接突き返す写真を掲載した。進歩党のチョン・ヘギョン議員も受け取り拒否の意思を表明した。
チュ・ヒヨン記者