【ソウル聯合ニュース】韓国海兵隊司令部は5日、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近い白○(○=令に羽)島と延坪島に配備された部隊が同日、自走砲「K9」や多連装ロケットシステム(MLRS)「天舞」を使用した海上射撃訓練を実施したと発表した。
訓練は午後2時から約1時間行われ、天舞からロケット弾約390発が発射された。
射撃は北朝鮮側ではなく、南西に設置した標的に向けて実施された。
海兵隊は「今回の射撃訓練は定例的、防衛的な性格の訓練」とし「射撃訓練中の住民の安全のために航行警報発令、ショートメッセージ発送、案内放送、住民避難案内の配置など対国民安全措置を実施した」と説明した。また「今後も定例的な海上射撃訓練を通じて海兵隊の火器運用能力を向上させ、軍事対応体制を確固たるものにしていく」と明らかにした。
海兵隊がK9などを投じて同地域で海上射撃訓練を実施したのは6月26日以来。北西島しょと呼ばれる同地域での射撃訓練を海兵隊は3カ月ごとに実施していたが、2018年に南北軍事合意が締結されたことを受けて中止していた。しかし、今年1月5日に北朝鮮がNLL付近の緩衝区域内で海上射撃を行ったことを受け、対抗措置として韓国海兵隊も北西島しょでの海上射撃訓練を1回限りで実施した。その後、北朝鮮がごみをぶら下げた風船の散布、全地球測位システム(GPS)への妨害電波発信、弾道ミサイル発射などの挑発を行ったため、韓国政府は6月4日に南北軍事合意の効力停止を決め、海兵隊は同月26日、北西島しょでの定例の海上射撃訓練を約7年ぶりに再開した。
北朝鮮は2010年11月23日、海兵隊の延坪島での射撃訓練を口実に延坪島を砲撃。韓国軍兵士と民間人合わせて4人が死亡した。