文在寅・前大統領の娘ダヘ氏、検察に腹を立てる前に疑惑の釈明が先だ【9月5日付社説】

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘ダヘ氏が、検察の捜査と家宅捜索について「ここまで来たらとことんやってやろうということですね? もうこれ以上は我慢しない」「(文・前大統領は)厳然たる自然人の身分であって、家族は手を出すべきものではないのに」「われわれは『経済共同体』ではなく『運命共同体』」と言った。

【グラフィック】文在寅・前大統領の娘ダヘ氏関連の主な疑惑

 ダヘ氏の元夫は2018年に、李相稷(イ・サンジク)元民主党議員が実質的なオーナーであるタイの航空会社、タイ・イースター・ジェットの役員に就任し、月給800万ウォン(現在のレートで約86万円。以下同じ)と家賃350万ウォン(約38万円)など、およそ2億2300万ウォン(約2400万円)を受け取った。航空業界での経歴が皆無にもかかわらず、李・元議員自身が採用を指示し、中小ベンチャー企業振興公団(中振公)の職員が直接自宅を探してやって、ダヘ氏一家の移住を支援した。文・前大統領は、そんな李・元議員を中振公理事長の椅子に座らせ、総選挙では民主党の公認で国会議員にしてやった。李・元議員は数百億ウォン台(100億ウォン=約10億8000万円)の横領・背任容疑をかけられても1年近く捜査を逃れた。典型的な「贈収賄の状況」だ。ダヘ氏には、文・前大統領の著書を出した出版社や金正淑(キム・ジョンスク)夫人の友人から巨額のカネを届けられた疑惑もある。検察は、文・前大統領を賄賂罪の被疑者として適示した。現在判明している事実関係がそうさせている。ところがダヘ氏は被害者にでもなったかのように腹を立て、文・前大統領は一言の釈明もなくぐずぐずしている。

 朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領は、自ら受け取ったカネはないにもかかわらず、崔順実(チェ・スンシル)氏と「経済共同体」として結び付けられ、投獄された。文・前大統領と「運命共同体」だというダヘ氏の言葉は、「経済共同体」とは違うのか。各種の疑惑に「私生活」だとして沈黙してきた文・前大統領や、疑惑の釈明もなく腹を立てるだけのダヘ氏の態度に、韓国国民が納得するのは難しい。

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  • ▲文在寅・前大統領と娘のダヘ氏。/聯合ニュース

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