救急センターで診療制限が急増 研修医離脱で人手足りず=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国政府が打ち出した大学医学部の定員増に反発した研修医が一斉に職場を離れた影響で、全国の救急医療機関が人手不足などのため診療を制限するとの案内を出すケースが急増している。国会保健福祉委員会に所属する金宣ミン(キム・ソンミン)国会議員(祖国革新党)が5日、保健福祉部から提出を受けた資料の調査結果を基に明らかにした。

 「診療制限」の案内は救急救命センターでの処置後の診療が不可能であることを意味し、国立中央医療院の中央救急医療センターのホームページ「総合状況板」に表示される。

 調査結果によると、大学医学部の定員増が発表され、研修医が職場を離れた2月から8月26日までの診療制限案内の件数は前年同期(5万9004件)比22.7%増の計7万2411件に上った。なかでも、8月の1万610件のうち、専門医の不在など医療人材の不足を理由とする診療制限は3721件(35.1%)を占めた。

 金議員は「間もなく始まる秋夕(中秋節、今年は9月17日)の連休には事件や事故が増え、救命救急センターを訪れる患者がさらに増えるが、徹底的に準備しなければ大混乱が発生する恐れがある」として「政府は早急に対策を講じなければならない」と述べた。

 これに対し保健福祉部は、研修医の離脱により救急救命センターの運営に一部支障が出ているのは事実だが、医療崩壊が憂慮されるレベルではないと説明した。

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