準備委は後に、東海と日本海を一緒に表記することを提案した。国際学界では二つの表記法を一緒に使用することが慣例であるだけに、折衷案を提示したわけだ。韓日の地質学界は数度にわたり話し合いを進めたが、最終的には白紙になった。日本の学界が、日本海単独表記にこだわったからだ。
鄭教授は「行事を準備する過程で数回、日本の地質学会や地質調査所を訪問して協議をしたが、ついに立場の差を縮めることはできなかった」とし「日本側は、自分たちの要求を受け入れないのなら行事をボイコットするという意向をそれとなく示した」と語った。
日本の地球科学連合は昨年末、ホームページを通して「地名表記の問題により、韓国で開かれるIGCに出席することを勧めない」という告知を掲載し、日本の学界のボイコットも誘導した。実際、行事に出席する日本の研究者の規模は予想よりかなり少なかった。鄭教授は「政府研究機関や政府研究費の支援を受けている研究者はほとんどが参加せず、引退した研究者や企業所属の研究者らを中心に出席したものと把握した」と語った。
地質学界では、今回の事態を巡り、政治的対立が学界にまで及んだ事例とみている。地質学分野のある研究者は「韓国も日本海表記について敏感だが、学問的な議論のために併記を提案して一歩引きさがった」とし「今後、学問の発展という共通の目標のために、政治的中立のための科学界の合意が必要とみられる」と語った。
釜山の行事ボイコットを宣言した国はほかにもある。ロシアの地質学界は、所属国変更勧告に反発して声明を出し、行事不参加を宣言した。22年にIUGSは、ウクライナで戦争を起こしたロシア出身の科学者らの学会活動を制限すると決定した。これに伴い釜山IGC準備委は、今回の行事に出席するロシアの研究者らに、他の国の所属を使用するよう勧告した。ただし釜山IGC準備委は、実際にはロシアの科学者の出席について特別な制限は設けず、一部のロシアの科学者が今回の行事に出席した。
イ・ビョンチョル記者