ダヘ氏は、元夫がタイ・イースター・ジェットに入ったころ、一緒にタイへ移住したと伝えられている。ところが元夫のタイ・イースター・ジェット採用の経緯やダヘ氏のタイ移住の理由を巡って、後からさまざまなうわさ話も出てきた。ある政界関係者は「文・前大統領夫妻が娘婿(当時)にロースクール進学を勧めたが失敗し、タイ・イースター・ジェットに入社したという話が出回った」とし「大統領の娘が任期中に外国へ移住すること自体おかしい、という内部の懸念は多かった」と話した。別の野党関係者は「ダヘ氏の元夫は、親文系のある中心的人物と親しくしつつ全北地方で活動し、それで李相稷(イ・サンジク)元議員との縁ができたらしい」と語った。
ダヘ氏はタイから戻ってきた後、2020年末から青瓦台(当時の韓国大統領府)の官邸に子どもと一緒に住んだことが分かり、物議を醸した。独立生計の大統領子女が青瓦台の官邸で過ごすのは異例だ。野党関係者は「つまらない論争になりかねないという懸念がかなりあったが、離婚など個人的事情があるので人間的に目をつぶってやろう、という雰囲気だった」と語った。
ダヘ氏はこのころから、ネットのショッピングモールを運営したりヨガ関連の仕事をしたりしていたと伝えられている。先に文・前大統領は、在任中の2018年、インドを訪問して「私の娘も(今)韓国でヨガ講師をしている」と明かしたこともあった。
文大統領の退任に際して周辺で繰り広げられた主な事業は大抵、ダヘ氏が企画したものだと伝えられている。ダヘ氏は、退任した父親の写真を自分のソーシャルメディアにしばしば載せ、今年5月には文・前大統領退任2周年記念展示も企画した。平山村の書店も、ダヘ氏が主導したものだと伝えられている。野党関係者は「文・前大統領のブレーン陣のほとんどは、書店を開くことに強く反対したらしい」とし「文・前大統領の『愛犬カレンダー』など一種の『グッズ』事業も、大部分がダヘ氏の手を経たもの」と語った。
一方、ソウル南部地検は今月9日、元大統領府民情秘書官室行政官に対する「公判前証人尋問」手続きを行う。韓国検察は、この元行政官がムン・ダヘ氏一家のタイ移住を助けた中心人物だとみている。
キム・ジョンハン記者、イ・スルビ記者