ソウル市が、2022年に1100億ウォン(現在のレートで約120億円。以下同じ)を投じて作った世運商店街「空中歩行路」を撤去する。
1日にソウル市は、世運商店街(鍾路区)の空中歩行路を撤去することとし、今月中に住民公聴会を開くと発表した。世運商店街空中歩行路は、世運商店街、三豊商店街など南北に長く伸びた七つの住商複合施設の3階を連結するもので、予算1109億ウォン(約121億円)を投じて16年に着工、22年に開通した。
ソウル市の関係者は「住民の意見を集約し、来年から撤去工事に入る」と語った。
合わせて1キロの空中歩行路のうち、三豊商店街-ホテルPJ間の歩道橋(250メートル)をまず撤去する。ソウル市の関係者は「残る750メートルの区間は歩行路が商店街の建物に造成されており、すぐに撤去するのは難しい」とし「後に世運商店街を取り壊す際に一緒に撤去する計画」と語った。
呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は06年、古い世運商店街を取り壊して複合施設の開発を計画したが、11年に就任した朴元淳(パク・ウォンスン)市長がこの計画を白紙化し、商店街再生を目的として空中歩行路を作った。しかし空中歩行路を利用する人が予想より少なく、商圏活性化の役には立たないという指摘が多かった。
今年8月には「1109億ウォンを投じても当初の事業目的である歩行量増大を通した世運商店街再生に寄与できていない」という監査院の監査結果も出た。監査院の監査報告書によると、事業推進当時、ソウル市は「空中歩行路を設置すれば毎年10万5440人が通行し、商圏が活性化する」と予測したが、開通後の実際の歩行者数はその11%の水準に過ぎない1万1731人だった。ソウル市の関係者は「こうした監査院の指摘もあり、撤去に着手する」と語った。
ソウル市は昨年、建物が老朽化した世運商店街一帯を再開発して30-40階建ての新都心を造成するという計画を発表した。世運商店街の建物は取り壊し、光化門広場の3倍の広さがある緑地を作る計画だ。
キム・ヨンウ記者