共に民主現金入り封筒ばらまき事件、一審は有罪…「民主主義の根幹揺さぶる犯罪」

　2021年、共に民主党全党大会で現金300万ウォン（現在のレートで約33万円）が入った封筒をやり取りしたとして起訴された共に民主党の元国会議員や現国会議員3人が一審で執行猶予付きの有罪判決を言い渡された。この件で現金入り封筒を受け取った議員たちに対する初めての有罪判決で、裁判所が共に民主党党代表選挙の買収行為を認めたことになる。

　ソウル中央地裁刑事第27部（禹仁成〈ウ・インソン〉裁判長）は30日、政党法違反などで起訴された共に民主党の李成万（イ・ソンマン）元議員と尹官石（ユン・グァンソク）元議員に懲役9カ月、執行猶予2年を、許琮植（ホ・ジョンシク）現議員に懲役3カ月、執行猶予1年の有罪判決をそれぞれ言い渡した。現職の許琮植議員は一審で刑が確定すれば失職することになる。

　同地裁は「政党選挙人を買収する不正行為は党意を歪曲（わいきょく）し、民主主義の根幹を揺るがす重大犯罪だ。党代表当選のため現金入り封筒をやり取りしたことは非難される可能性がかなり高い」と述べた。

　この事件は、宋永吉（ソン・ヨンギル）元共に民主党代表＝現：松の木党代表＝が2021年5月の全党大会で党代表になるために、尹官石元議員を通じて同僚議員に現金入り封筒をばらまいたものだ。尹官石元議員の主導で300万ウォン入り封筒20封が用意され、20人前後の共に民主党議員がこれを受け取ったと検察ではみている。

　この判決に先立ち、尹官石元議員は現金入り封筒をばらまく目的で選挙陣営関係者を通じて現金入り封筒20封（6000万ウォン）を用意したとして起訴され、先月18日の二審で懲役2年を言い渡された。この日の裁判は、2021年4月28日の全党大会を控えて開催された「宋永吉を支持する会」で、尹官石元議員から現金入り封筒を受け取った議員2人（李成万元議員、許琮植現議員）と、金を渡した尹官石元議員に対する判決が下されたものだ。共に現金入り封筒を受け取って起訴された林鍾聲（イム・ジョンソン）元共に民主党議員は同日、「体調が悪い」として欠席したため、来月6日に判決が延期された。

　一方、検察はこれら元議員・現議員と共に現金入り封筒を受け取った疑惑が持たれている別の元議員・現議員7人に対して数回にわたり出頭するよう通知したが、この中で朴英淳（パク・ヨンスン）元議員だけが先月、被疑者として取り調べを受けた。現議員6人は出頭に応じていない。検察はこの他にも現金入り封筒を受け取った疑惑が持たれている別の議員9－10人について捜査中だ。

パン・グクリョル記者