【世宗聯合ニュース】韓国で女性の顔写真とわいせつ動画を合成したディープフェイク(偽動画)が秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」などを通じて大量に流布され社会問題となっている中、生徒や教員の顔写真を悪用した偽動画による被害件数が200件に迫ったことが、28日分かった。教育部は生徒らの不安を解消するため緊急タスクフォース(TF)を構成し、来月の関係機関との会議などを経て10月中に対策を発表する方針だ。
教育部によると、広域自治体(17市・道)の教育庁が把握した今年1月から今月27日までの生徒・教員の偽動画による被害件数は計196件だった。このうち生徒の被害が186件、教員の被害が10件だった。
このうち179件については当局に捜査を依頼したという。
このように偽動画による被害が広がる中、教育部は次官を団長とする「学校ディープフェイク対応緊急TF」(仮称)を構成し、対応に乗り出すことを決めた。
TFは週1回調査を行い、警察庁、女性家族部、放送通信委員会など関係機関との協力体制を構築する一方、市・道の教育庁と非常連絡網を運営するなど、現場でのコミュニケーションを統括する。
このほか、生徒・教員の被害事案の処理や心理面のサポートも担当する。
校内暴力関連の偽動画の被害者には相談プログラム「Weeクラス」「Weeセンター」を通じてカウンセリングなどを行う。
外部の専門機関と連携し、被害者のメンタルヘルス関連の診療・治療費を最大300万ウォン(約32万円)まで負担する。
被害を受けた生徒の不安を解消し二次被害を防ぐため、加害者と被害者の分離を実施。教員に対してもカウンセリングや治療、法律支援などの保護策を講じる。
30日には市・道教育庁の幹部と緊急会議を開き、来月中に女性家族部、科学技術情報通信部、警察庁など関係機関と対策会議を開催する。
専門家、関連機関、市・道教育庁による諮問団を構成して来月から運営し、10月中に「教育分野ディープフェイク対応後続措置」を発表する予定だ。