ウクライナ、教科書で韓国の経済発展を紹介…「教育熱・勤勉さが『漢江の奇跡』をつくった」【独自】

 「戦争後の韓国は、援助を受けていた最貧国から、世界でトップ12に入る経済規模を持つ国となった。世界史に前例のない韓国のGDP(国内総生産)成長の勢いを『漢江の奇跡』と呼ぶが、ウクライナにとっても、韓国の経験は極めて重要だ」(ウクライナの『世界史』教科書)

【写真】 ウクライナの補助教材に掲載された韓国の偉人たち

 ウクライナの高校生が使う世界史の教科書に、韓国の経済発展を象徴する「漢江の奇跡」が載る。ウクライナ教育省は2022年、11年生(高3に相当)対象の世界史教科書に韓国関連の内容を載せるよう執筆ガイドラインを整備したが、最近になって各出版社は執筆をほぼ終えた。ウクライナの全ての高校生は、毎週1-2時間ずつ世界史を学ぶ。

 8月22日に本紙は、ウクライナの教科書作りを支援している韓国学中央研究院(韓中院)を通して、世界史の教科書7種類のうちオンライン出版社の教科書を入手して内容を調べてみた。

 教科書では3ページにわたり、6・25戦争後の韓国の国家再建過程を記述した。「1953年の休戦協定当時、韓国は廃虚であって、歴史上最も悪質で反人倫的な政権の一つである北朝鮮の軍事的脅威により状況は一層困難だった」。戦争直後の状況については「韓国は天然の鉱物資源もなく、土壌は瘦せていた」とし、希望は大きくなかったと記した。

 「韓国の民主化と経済の奇跡」も、別の単元で取り上げた。この単元でウクライナは、韓国の「教育」を経済発展の最大の成功要因に挙げた。教科書は「韓国政府は教育水準と労働者らの専門性を高めることに最大の努力を傾けた」と説明した。また「1950年代の韓国人は、月に1-2日しか休まずに働き、これが経済発展の決定的役割を果たした」と、国民の勤勉さも発展の要因と見なした。

 教科書は、韓国との外交関係も前向きに言及した。「韓国は2022年からウクライナに人道的支援を行っており、ロシアの侵略に抵抗する助けを与えている」と記述した。

 教科書の執筆に参加したバハノフ・コスティヤンティン・リビウ大学教授は「戦争を克服して経済発展を実現した韓国は、現在戦争をしているウクライナにとって良い手本になるだろう」と語った。

 ウクライナ教育省は最近、10年生および11年生が用いる『韓国史補助教材』も別途制作した。韓国の自律型私立高校(自私高)に該当する「歴史特性化学校」で使用する教材で、韓国のことをもっと学びたい生徒たちのための深化学習資料だ。計352ページのこの教材は、古朝鮮から現代まで、テーマ別に韓国の歴史・政治・社会・文化・経済を幅広く扱っている。「Kポップと韓流」「南北関係の変化」などをテーマに討論できる問いも収録した。

 ウクライナ政府が生徒たちに韓国の歴史を必須として学ばせる上で、韓中院の「韓国を正しく伝える」事業も一助となった。韓中院は、韓国についての内容がウクライナの教科書にないことを発見し、2016年と22年にウクライナの教科書執筆陣を韓国に招いた。

 チャン・ギホン韓中院専門委員は「執筆陣は『韓国が廃虚から再び立ち上がって漢江の奇跡を実現する様子を教科書に含め、ウクライナの未来世代に教えたい』と言っていた」と紹介した。

ユン・サンジン記者

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