【世宗聯合ニュース】韓国政府は27日、2025年度(1~12月)予算案を閣議決定した。歳出総額は24年度本予算比3.2%増の677兆4000億ウォン(約73兆7000億円)。過去最低を記録した24年度の増加率(2.8%)をやや上回ったが、増加幅は2年連続で3%前後にとどまり、政府が予想する来年度の経済成長率(4.5%)に及ばない「緊縮財政」と評価される。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足した22年年度本予算(604兆4000億ウォン)比では12.1%増となり、増加率は財政統計が整備された05年以降の歴代政権の発足から3年間で最も小さい。
崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政部長官は会見で「(歳出の)非効率的で重複した部分を減らし、空いたところに社会的弱者などに必要な部分を十分に入れた」とし、歳出増加率の数字よりも実質的な経済活力に寄与する予算だと説明。新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)への対応で悪化した財政の持続可能性を正常化する過程にあると強調した。
企画財政部は、25年度予算案では「国民生活」に最も重きを置いたとし、4大キーワードとして▼弱者への福祉▼経済活力▼体質改善▼安全な社会・中枢外交――を提示した。
弱者への福祉としては基礎生活保障(生活保護)の支給額を年間141万ウォン引き上げ、関連予算を約1兆ウォン増額する。
高齢者の雇用は現行の103万人から110万人に増やす。高齢者人口の少なくとも10%に働き口が提供される計算だ。また、1兆6000億ウォンを投入して基礎年金の支給額を月額33万4000ウォンから34万4000ウォンへと1万ウォン引き上げる。
住居安定のため、14兆9000億ウォンを投じて公共住宅を過去最大規模の25万2000戸(賃貸15万2000戸、分譲10万戸)供給する。
経済活力を高めるため、大規模な半導体投資に対して4兆3000億ウォン規模の低金利融資を行う。
原発、防衛産業、コンテンツに関するファンドを新設し、有望な中小企業100社を選定、支援するプログラムを導入する。
研究・開発(R&D)予算は大幅に増額され、過去最大規模の29兆7000億ウォンで編成された。
育児休業中の給与の上限額を月150万ウォンから最大250万ウォンに引き上げ、事業主に対する代替人材支援金を増やすほか、育児休業業務分担支援金(月20万ウォン)を新設する。
必須・地域医療の強化には2兆ウォンが投入される。大学医学部の定員増に合わせて教授と教育施設を拡充し、研修医の給与を増やす。
国防予算は初めて60兆ウォンを超える規模で編成される。
このうち人件費が22兆8000億ウォン以上を占め、兵士の月給は兵長基準で月205万ウォンに引き上げられる。
韓国初の国産超音速戦闘機、KF21(通称「ポラメ=若鷹」)の量産には1兆1495億ウォンが投入され、レーザー対空兵器も712億ウォンを投じて量産を本格化させる。
このほか、電気自動車(EV)のバッテリー過充電を防ぐ「スマート制御充電器」を2万3000基から9万5000基へと大幅に拡充し、人工知能(AI)によるディープフェイク(偽動画)の映像・音声分析予算も新規編成する。
予算案は9月初めに国会に提出され、各常任委員会と予算決算特別委員会による審査を経て12月に確定する。