このような国際大会参観団そのものも、李起興・現会長が大韓体育会で首席副会長を務めていた2016年8月のリオデジャネイロ五輪時に初めて作られた。この年10月、副会長だった李起興氏は大韓体育会会長に当選した。リオ五輪時に25人だった参観団の人員数は2018年のジャカルタ・パレンバン・アジア大会で63人に増えた。そして、昨年の杭州アジア大会の時は200人に膨らんだ。これらの人々にも観戦以外に観光地訪問や市内見物などの日程があった。大韓体育会は参観団の運営をしやすくするため、予算執行関連規定を変更までした。もともと大韓体育会そのものの予算を執行するには文化体育観光部の承認を受けなければならなかった。大韓体育会は2018年ジャカルタ・パレンバン・アジア大会参観団の予算を5300万ウォンから1億5000万ウォンに増額しようと文化体育観光部に要請したが承認を得られなかったため、2023年2月の理事会議決だけで自主予算を執行できるよう規定を変えた。それにより同年9月の杭州アジア大会では参観団の予算と人員は大幅に増えた。
参観団の選定過程は不透明だ。大韓体育会内には関連規定もなく、選抜組織もないし、理事会の議決も受けない。大韓体育会の各部署でリストを上げ、李起興会長が最終決裁をするというやり方だ。大韓体育会は「地方体育会や選手村などに公文書を送って参加希望者を募集する。国際大会開催や運営に役立つような人々を精査している」と説明した。
一方、金承洙(キム・スンス)議員は「国際大会参観団に関連する予算は増えているが、どのような基準で誰が選定されるのかは公表されていない。(事実上)公的資金が使われるだけに、国民の目線に合わせて正さなければならない」と語った。五輪に数回出場した韓国スポーツ界関係者は「国際大会の運営は経験豊富な専門家が国際オリンピック委員会(IOC)のような国際機関と歩調を合わせながら行うものだ。1週間行ってくる程度で知ることができるだろうか」と一蹴(いっしゅう)した。
イ・ヨンビン記者