反日の眼鏡をかければ老朽化した施設の補修まで親日に見えるのか【8月26日付社説】

 韓国野党・共に民主党は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は体系的に独島を消そうとしている」として25日から真相解明に向けた独自の調査を開始するという。コロナで入院中の李在明(イ・ジェミョン)代表が病床から指示したようだ。ソウル地下鉄の安国駅、蚕室駅の独島オブジェが補修のため一時撤去され、また戦争記念館でも同じく独島オブジェが補修目的で撤去されたのだが、これを韓国政府が組織的に撤去させたか確認するというのだ。

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 ソウル交通公社は先日、地下鉄安国駅と蚕室駅の独島オブジェ撤去について「地下鉄利用客の動線に支障になり妨害にもなるので撤去した」と明らかにした。これらが設置されたのは15年も前だが、この問題で複数の野党は「独島を消した」として韓国政府を強く批判したため、ソウル交通公社は近く新たな独島オブジェを設置すると発表した。設置から12年が過ぎた竜山戦争記念館の独島オブジェ撤去も問題視されたため、戦争記念館は「老朽化した他の展示物と共に収蔵庫に保管中であり、補修後に再設置する」と説明した。

 今回オブジェを撤去したのはソウル市と韓国国防部(省に相当)戦争記念事業会だが、野党などは「韓国大統領室の指示だ」として疑惑を指摘しているのだ。独島は韓国が実効支配を続けているので、日本と対立する必要のない今の状態を今後長期にわたり維持するだけでよい。そのため地下鉄駅のオブジェで韓国の立場が強くなったとか弱くなったなどと言い出すこと自体が幼稚極まりない。逆に野党が騒ぎたて、これに勢いを得て連日独島問題を表面化し韓国政府が説明を余儀なくされる事態となれば、これこそ独島を紛争地域化し国際司法裁判所に持ち込もうとする日本の思い通りになるだろう。このような事実を共に民主党は理解しているのだろうか。

 反日の色眼鏡でみれば老朽化した施設の補修も親日に見えるようだ。共に民主党執行部からは正式な会議で「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は独島を日本に上納するだろう」などの発言まで飛び出し、その直後にネットでは「国立中央図書館の古文献室にあった独島オブジェが撤去された」などフェイクニュースまで広がった。古文献室には最初から独島オブジェはない。

 韓国政府は「建国節」を制定する方針はないが、この問題で先日の光復節記念式典は分裂開催された。この分裂を後押ししたのも野党第一党の共に民主党だった。共に民主党は1年前に福島汚染水デモを広めて国民に不安を抱かせ、巨額の国家的損失をもたらしたが、今もそのことを謝罪していない。今回も老朽化したオブジェの補修をあえて問題とし、独島を口実に韓国政府に対する親日批判を年中行事にしたいのだろう。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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  • ▲韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表/news1

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