韓国大統領府と野党・共に民主党は23日、日本の福島原発汚染処理水放出と韓国国内での独島オブジェ撤去などをめぐり終日「フェイクニュース論争」を続けた。
韓国大統領府の鄭恵全(チョン・ヘジョン)報道官は同日朝のブリーフィングで「野党が福島のデマを『放流』してから1年が過ぎた」とした上で「科学的な根拠もない荒唐無稽なデマは虚偽扇動だったことが明らかになったが、野党は国民に謝罪もせず無責任な行動を続けている」と批判した。鄭報道官は「ここ1年間に韓国の領海や公海上などでサンプルを採取し、4万9600回以上検査を行った結果、基準を上回るケースは1件もなかった」「野党の荒唐無稽なデマや扇動さえなければ必要なかった1兆6000億ウォン(約1740億円)の予算がこれまで投入された」とも説明した。
【写真】「デマはやめてください」 ひざまづいて訴える韓国の漁業従事者たち(2023年7月10日撮影)
これに対して野党・共に民主党の趙承来(チョ・スンレ)首席報道官は「日本政府は今年2月から放射能サンプルを提供せず、逆に放出地点における日本の環境省のサンプルで(放射能物質の)トリチウム濃度が10倍に跳ね上がった事実だけが明らかになった」と主張した。同党の金民錫(キム・ミンソク)最高委員も同日朝から開催された党執行部の会議で「昨年10月以降、日本政府は放射能サンプルを(韓国に)提供していない」と反論した。金民錫最高委員はさらに与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が前日「原発処理水」と発言したことを問題視し「日本政府報道官をやっている。与党の代表として恥ずかしくないのか」と批判した。
この問題で放出を監視する韓国の原子力安全委員会は資料を配付し「日本の東京電力は放出時のモニタリング情報をリアルタイムでホームページで公開しており、韓国政府もこれを公開している」として共に民主党に再反論した。韓国政府関係者も「日本から放射能に関する資料を10分-1時間間隔で受け取っている」と明らかにした。共に民主党は「日本の環境省の資料によるとトリチウム濃度は放出前に比べて10倍に跳ね上がった」と主張しているが、これについても原子力安全委員会は「事実ではない」と明言した。
共に民主党の金炳周(キム・ビョンジュ)最高委員は同日の党執行部による会議で「ソウルの蚕室駅と安国駅、竜山戦争記念館から独島のオブジェが撤去された」「独島まで日本に上納するのか」と批判した。これに対して韓国大統領府は「独島オブジェはすでに老朽化し、通行人の動線を妨害するのでソウル交通公社が従来のオブジェを撤去した」とした上で「蚕室駅と安国駅の壁面には新たな独島オブジェを設置する予定だ」「戦争記念館のオブジェも補修して再設置する方向で検討を進めている」と説明した。
キム・サンユン記者、キム・ギョンピル記者