【ソウル聯合ニュース】韓国の金暎浩(キム・ヨンホ)統一部長官は22日、ソウル外信記者クラブで記者会見し、北朝鮮住民が外部情報に触れられる情報アクセス権を拡大するため、デジタル技術を活用した民間の情報流入活動を支援する方針を明らかにした。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」に発表した新たな南北統一構想「統一ドクトリン」で、北朝鮮住民の情報アクセス権を拡大する方針を示していた。
金氏は政府が北朝鮮人権分野の民間団体のコンテンツ開発・制作を引き続き支援するとしたが、具体的な北朝鮮への情報流入方法については言及しなかった。
金氏は2016~20年に韓国入りした脱北者の8割以上が脱北前の1年間に韓国ドラマなど外部の映像を見た経験があるという統一部の調査結果に触れ、「外部情報に対する北の住民の欲求は自発的なもので、このような自発的な熱望を満たすための努力が続くべきだ」と強調した。
また、今月にそれぞれ亡命した北朝鮮軍人と住民はいずれも20代男性だったと伝えた。昨年に韓国入りした脱北者196人のうち20~30代が半数を占めたという。
統一ドクトリンが吸収統一を目指す宣言ではないかとの質問に対しては、「北の住民の情報アクセス権と人権への指摘は双方の体制を認める範囲内で十分理解できる」としたうえで、北朝鮮側が「敵対的な二つの国家」を主張して統一を否定し、南北は統一を目指す過程で暫定的に形成される特殊な関係であり国と国の関係ではないと規定した1991年の南北基本合意書を事実上破棄していると指摘した。
金氏は統一ドクトリンの七つの推進策のうち、南北の実務者レベルの協議体設置が最も重要だとして、北朝鮮に対し、協議体の設置に応じるよう改めて求めた。