来月21-22日に500席規模のムシンサガレージ(ソウル麻浦区)で公演を行う富岡愛のように、日本国内ではさほど有名ではないが、韓国で先に有名になったケースもある。ソーシャルメディアを中心に富岡の曲『グッドバイバイ』がヒットしたのだ。韓国でも配信された人気アニメ作品の主題歌を歌ったOfficial髭男dism、YOASOBI、AdoなどのJ-POPアーティストたちが続々と来韓しているのも注目すべき点だ。
韓国の音楽配信市場にもJ-POPの人気が反映されている。韓国の音楽配信サービス「ジニーミュージック」で利用者のJ-POP再生回数を分析した結果、前年に比べて93%も増えたことが分かった。韓国歌謡を含むジャンル別の鑑賞比率では、J-POPが1.2%でジャズ(0.6%)とクラシック(0.7%)を上回った。2018年の時点ではJ-POPの割合はわずか0.4%だった。世界最大の音楽配信サービス「Spotify」も、今年7月に韓国のユーザーによるJ-POPの月間再生回数が前年同期比で40%増加したことを明らかにした。J-POPが好きだというパクさん(29)は「2-3年前までは日本の音楽を聴いていると『オタク』とからかわれたものだが、今では街でJ-POPが流れていて隔世の感がある」と話した。
韓国国内の公演企画会社もJ-POPの韓国上陸を歓迎している。ある大手公演企画会社の関係者は「日本のバンドは英米のバンドに比べて移動距離が短く、韓国に招く際の費用が少なくて済む上、動員人数も500人から1万人などさまざまな規模のアーティストが豊富にそろっている」とした上で「キレッキレの完璧なダンスと歌を披露する韓国のアイドルとは異なり、日本のアイドルは親しみやすく、バラエティー(番組)に近いステージを見せる。異なる魅力がマニア層を引きつけているようだ」と話した。
J-POPも韓国を、世界進出の前に経由すべき地だと考えている。評論家のファン・ソンオプ氏は「これまで日本は国内市場だけでも十分な収益を上げられていたため、韓国に注目することはなかったが、最近は変わってきた。韓国でコンサートを行うと非常に人気のあるグループとして認められるため、この点がJ-POPの来韓公演に影響を及ぼしている」との見方を示した。
ユン・スジョン記者、キム・ドンホン記者