「pohjois」には、北朝鮮の新浦に原発を建設する案、非武装地帯に原発を建てる案、新ハヌル原発3・4号機を完工させて送電する案などが含まれていた。そのころ、金正恩が「建設途中で廃棄された新浦軽水炉(原発)の現況を点検せよ」と指示したという外信の報道があった。新浦には、当時の徐薫(ソ・フン)国家情報院長が務めていたこともある。19年の新年の辞で、金正恩が妙に「原子力発電」を強調したこともあった。当時、文政権は、原発は危険だと言って月城1号機を早期閉鎖しようとしていた。そんなことをしておいて、裏では北に核兵器の原料の生産が可能な原発を建ててやろうとしていた状況があらわになったわけだ。当時、文政権は「アイデアレベルの内部検討資料に過ぎない」と言った。やらされてもいない仕事を文書化し、監査が迫るとこっそり消す公務員などどこにいるのか。
18年3月、韓国の芸術団が平壌に行くときに文政権が飛ばしたチャーター機は、イースター航空のものだった。イースターの創業者は、文・前大統領の娘の海外移住を支援した李相稷(イ・サンジク)元議員だ。当時、チャーター機で「あるもの」を見たと証言している人がいる。19年1月、文政権は「漢江河口の海図」を北朝鮮に渡した、これは現在3級機密に指定されている。最近、北の住民が歩いて亡命してきた江華島一帯の水深や岩礁の位置などが書き込まれている。有事の際の「南侵案内図」になりかねない地図を渡したのに、何も問題はないのか。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が発足したとき、「対北積弊」から清算するだろうと期待した韓国国民は多かった。中国に軍事主権を放棄する「THAAD(高高度防衛ミサイル)3不」を約束した経緯も、まだ究明されていない。ところがどういうわけか、「利敵行為」疑惑が明らかにされる様子は見られない。大統領室は8月12日、安保室長・国防相交代の背景として「外部の安全保障上の脅威」に言及した。順序としては「内部の脅威」から整理するのが先だろう。
安勇炫(アン・ヨンヒョン)論説委員