韓国検察が文在寅前大統領夫妻の口座追跡 元娘婿のタイ・イースター・ジェット特別採用疑惑

 韓国検察が、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領夫妻の口座取引明細を調査していることが分かった。文前大統領の元娘婿がタイの格安航空会社(LCC)「タイ・イースター・ジェット」に特別採用されたという疑惑を捜査するためだ。法曹関係者が16日に明らかにした。

【Photo】文在寅候補と娘ダヘ氏(2017年5月)

 この関係者によると、全州地検刑事第3部(裁判長:韓演奎〈ハン・ヨンギュ〉部長検事)はこのほど、文前大統領と金正淑(キム・ジョンスク)夫人に対する金融口座追跡用捜索令状を発行したとのことだ。その上で、文前大統領夫妻と娘ダヘ氏の家族間の資金の流れを分析しているという。

 タイ・イースター・ジェットは、韓国のLCC「イースター航空」創業者・李相稷(イ・サンジク)元議員=元・共に民主党=が実質的なオーナーだと言われている。李相稷氏が2018年3月に中小ベンチャー企業振興公団理事長になってから4カ月後の同年7月、文前大統領の元娘婿がタイ・イースター・ジェットの専務に就任した。当時、元娘婿は航空業界で勤めた経験が全くなかった。就職後、ダヘ氏ら家族と共にタイに移住したことが伝えられた。

 検察は、李相稷氏が文前大統領の元娘婿を自身が実質的なオーナーを務めるタイ・イースター・ジェットの役員に就任させた見返りに、中小ベンチャー企業振興公団理事長のポストをもらったのではないかとの疑念を抱いている。検察は文前大統領夫妻がダヘ氏家族の生活費をいつからどれだけ支援していたのかなどを把握する目的で口座を調べていると明らかにした。

 この事件の捜査は、現在の韓国与党・国民の力が2020年9月、検察に李相稷氏を横領・背任などで告発したことから始まった。李相稷氏は中小ベンチャー企業振興公団理事長として在職した後、2020年4月の総選挙で全羅北道全州乙地方区から共に民主党の公認を受け、国会議員になった。

 一方、李相稷氏は昨年4月、数百億ウォン(数十億円)台の横領・背任により大法院(最高裁判所)で懲役6年が確定し、服役中だ。また、2015年から2019年にかけてイースター航空乗務員を不正採用したとして起訴され、昨年12月の一審で懲役1年6カ月を言い渡された。

イ・ヒョンスン記者

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  • ▲6月19日午後、光州「芸術の殿堂」で行われたイム・ユンチャン・ピアノリサイタル公演を訪れた文在寅(ムン・ジェイン)前大統領と金正淑(キム・ジョンスク)夫人。写真=聯合ニュース

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