韓国の公営放送局KBSでは、イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニのオペラ『蝶々夫人』(1904年初演)を15日午前0時から放送したが、「光復節に不適切な放送だ」と批判された。『蝶々夫人』は日本の明治時代の長崎を舞台に、日本人女性の蝶々さん(蝶々夫人)と米国人将校の関係を描いた作品だ。米国人将校は蝶々夫人を捨てて本国に戻り、米国人女性と結婚する。
『KBS中継席』という番組で放送された『蝶々夫人』は今年6月にソウル「芸術の殿堂」で上演されたものの録画だ。主人公は日本の伝統衣装である着物を着ており、結婚式の場面では日本の国歌である『君が代』が演奏される。西欧帝国主義の男性の視点を通じ、東洋(日本)を「従順な女性」として対象化した、典型的なオリエンタリズム的要素を持っているとの評価がほとんどだが、「光復節に君が代と着物とはあきれた」などの意見が視聴者掲示板に殺到した。一部の書き込みには約1万件の「同意」ボタンがタップされた。KBSは公式見解で「当初は7月末に放送する予定だったが、オリンピック中継で延期され、光復節の未明になった。放送内容が時宜にかなっているかどうか検討できなかったスタッフのミスだ」と説明した。
ところが、KBSでは同日午前の天気予報でも左右が入れ替わった太極旗のイラストを使って再び非難を浴びた。このため、「光復節に太極旗を左右逆に出すなんて」という批判が相次いだ。KBSは制作上のミスだとして「心よりおわびする」と謝罪した。
さらに、KBSが15日夜の番組『独立映画館』で李承晩(イ・スンマン)元大統領のドキュメンタリー映画『奇跡の始まり』を光復節特集として放送したことに対し、全国民主労働組合総連盟(民主労総)傘下のメディア労組KBS本部などは「李承晩を美化したドキュメンタリー放送を中止せよ」と主張した。これに対し、「KBSが光復節に合わせて李承晩の映画を流すことの何がいったい問題なのか」という反論もあった。
アン・ジュンヒョン記者、イ・テフン記者、ク・ドンワン記者