尹大統領「分断続く限り解放は未完成」 南北統一戦略提示=「光復節」演説で

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日、日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」の式典で演説し、「分断体制が続く限り光復(解放)は未完成」として、「朝鮮半島全体に自由・民主・統一国家がつくられる日に完全な光復が実現される」と述べた。

 尹大統領は南北統一に向けた三つのビジョンと三つの推進戦略を提示した。三つのビジョンとしては「自由と安全が保障される幸せな国」、「創意と革新で飛躍する強くて豊かな国」、「世界平和と繁栄に寄与する国」を挙げた。三つの戦略としては「自由統一を推進する自由の価値観と力の培養」「北朝鮮住民の自由統一に対する熱望促進」「自由統一に対する国際社会の支持確保」を示した。ここに統一計画の活性化など七つの統一推進案を加えた構想「8・15統一ドクトリン」を発表した。

 また、北朝鮮住民の変化のため、「情報接近権」を拡大すると強調。「多くの脱北者は韓国のラジオ放送やテレビを通じ北の政権の偽りの宣伝・扇動に気付いたと証言している」とし、「北の住民が自由の価値に目覚めるようにすることも重要だ」と訴えた。そのうえで北朝鮮人権に関する国際会議と北朝鮮自由人権ファンドの創設を推進する考えを示した。

 事実上断絶している南北対話のため、実務者が参加する「対話協議体」の設置も提案した。尹大統領は「(協議体で)緊張緩和を含む経済協力、人的往来、文化交流、災害と気候変動への対応までいかなる問題も扱える」と表明。離散家族や国軍捕虜、拉致被害者などの人道問題も協議できると説明。「非核化の一歩を踏み出すだけでも政治的、経済的な協力を始める」と言明した。

 また、「自由統一に対する国際社会の支持をけん引するため一層努力する」とし、有志国と「国際朝鮮半島フォーラム」を創設する方針を明らかにした。 

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