昨年3月に韓国原子力研究院と韓国海洋科学技術院が東京電力の海洋放出計画を基にシミュレーションした結果、放出された汚染水に存在するトリチウムは、4-5年後から韓国の海域に流入し始める。その時点から10年後まで韓国の海域に流入するトリチウムの累積値は、現在の韓国海域の平均濃度である1リットル当たり0.172ベクレルの10万分の1にすぎない。KAIST(韓国科学技術院)原子力・量子工学科のチェ・ソンミン教授は「福島原発付近から数キロ離れただけで、トリチウムの濃度は韓国の漢江や蟾津江と同じレベルまで低下する」として「この濃度が危険だと言うのなら、韓国の川も汚染されていると言うようなものだ」と指摘した。
■Q4:福島産の水産物が韓国内に入ってくる?
韓国食品医薬品安全処は日本から輸入する水産物が韓国に入ってくるたびに、品目ごとに生産地証明書を確認している。生産地証明書は、韓国が輸入を禁止している福島周辺の8県以外で獲れた魚だということを日本政府が公認したという書類だ。食品医薬品安全処の関係者は「生産地証明書とは別に放射能全数検査も実施しているため、被ばくした水産物が輸入されることはあり得ない」と話した。
■Q5:日本の船のバラスト水が韓国の海を汚染する?
韓国政府は、福島周辺の6県でバラスト水(船舶のバランスを取るために船内に貯留する海水)を入れた船舶に対しては、韓国の管轄水域に入港する前にバラスト水を排出し、再び入れるよう要請している。ソウル大学地球環境科学部の趙暘基(チョ・ヤンギ)教授は「放出された汚染処理水は、太平洋の黒潮に乗って10年後に韓国の海域に到達する」とした上で「一部が渦に巻き込まれるとか表層のすぐ下で別の動きをして韓国の海域に流入する可能性はあるが、それは微々たる水準」と話した。
カン・ウリャン記者