砲弾とヤギを交換? 「北朝鮮がロシアからヤギ447頭輸入」

 ウクライナに侵攻したロシアに砲弾など軍需品の支援を行っている北朝鮮が、ロシアからヤギ447頭を輸入した、と自由アジア放送(RFA)が12日に報じた。

【写真】草食家畜を飼育する北朝鮮軍第621号育種場

 RFAによると、ロシアの畜産・農水産物検疫機関であるロセルホズナゾル(Rosselkhoznadzor)は今月9日、ホームページを通して、生きたヤギ447頭を北朝鮮に輸出したと明かした。

 ロシア検疫当局は、レニングラード地域から北朝鮮の羅先市に向かう447頭のヤギについて、衛生条件を順守しているかどうかなどを検討した後、雄ヤギ432頭と雌ヤギ15頭を輸出したと発表した。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、「南浦市の区域、軍において能力が高いヤギ牧場が新たに立ち上げられた」とし、「市内の子どもたちに乳製品を円満に保障できる土台が固められることになった」と伝えた。

 その上で同通信は「市では、ヤギ牧場に必要な設備を整えると共に、優良品種のヤギの頭数を増やし、乳製品の生産を増やすための事業に拍車をかけている」と報じた。

 先に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は2021年6月、「国の負担で全国の子どもたちに乳製品をはじめとする栄養食品を供給することを、党の政策として樹立せよ」と指示したことがある。

 一方で、北朝鮮の酪農業の水準を懸念する声もある。牧野愛博・広島大学客員教授は、RFAの取材に対し「1998年に現代グループの鄭周永(チョン・ジュヨン)会長が牛500頭を連れて北朝鮮に行ったことがあるが、当時も北朝鮮は牛をきちんと飼育できず、ほとんどが死んだ」とし、「ヤギは牛よりも比較的楽に飼育ができるが、うまく管理できるかどうかは疑問」と語った。

 その上で牧野教授は「もちろん、朝ロ間の密接な関係事業の一つだと考えられる」としつつも「ヤギを持ち込んでも、北朝鮮経済に大きな影響はないだろう」と見込んだ。

キム・ミョンジン記者

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