警察が不送致を覆したことと検察が再捜査を事実上指揮したことは、異例だとの見方が広がっている。検察は「被疑者らが侮辱的かつ性的羞恥心を与えるような書き込みをしたり転送したりした点を考えると、引き続き捜査する必要があると判断した」と説明した。当局の関係者は「指でつまむハンドサインは男女の対決をあおる厄介なものなのに、警察の捜査と立場表明には至らない側面があったのではないかと検証している」と述べた。
このハンドサインは2021年にコンビニエンスストア「GS25」のイベント用ポスターに登場したのをきっかけに物議を醸すようになった。当時、ポスターにはソーセージを親指と人差し指でつまもうとするイラストが描かれ、これが男性を侮辱するハンドサインだとして物議を醸した。その後、ソウル警察庁の道路交通法改正案内ポスター、ルノー・コリアの車内広報チャンネルなどにこのハンドサインが登場し、そのたびに男女の対立が再燃した。その後、GSリテール系列社の広報物だけで、このハンドサインをめぐる指摘は15件を超え、SKハイニックス、LG電子、現代建設、農心、ムシンサ、Eマートなど民間企業の広報物20件以上、韓国国防部(省に相当、以下同じ)、女性家族部、行政安全部など政府の部処(省庁)と自治体の広報物20件以上でこのハンドサインが問題になった。海外メディアもこの騒動に注目し「韓国では男女の激しい戦争が起きている」と報じた。
一部の男性は、このハンドサインを「見過ごすことのできない男性嫌悪表現であり、厳重に処罰すべき」と主張する。大学生のイムさん(20)は「イルベ(極右傾向のネット掲示板)を示すハンドサインや、ナチスのハーケンクロイツ(かぎ十字)にも等しい表現だと考えている」と話した。しかし、会社員のパク・チヨンさん(27)は「一般的に使える表現を片っ端から『男性嫌悪』と決めつけて批判するのは表現の自由の侵害だ」との考えを示した。就職活動中のミン・スンジンさん(28)は「このような形の男女対決は消耗的で疲れる」「考え方の異なる他人を非難・破滅させることに全身全霊を傾ける社会になったように思う」と話した。
ク・アモ記者、キム・ヨンウン記者