バド女子金の安洗塋 韓国代表の体制批判「チームに失望」

【パリ聯合ニュース】「バドミントンも、アーチェリーのようにどの選手が五輪に出てもメダルを取ることができればと思う」――。

 パリ五輪のバドミントン女子シングルスで金メダルを獲得した韓国の安洗塋(アン・セヨン)は5日(現地時間)、聯合ニュースとのインタビューでこう語った。

 五輪バドミントンの男女シングルスで韓国勢として28年ぶりに頂点に立った安は、表彰式後の記者会見で韓国代表の体制を公然と批判し、波紋を呼んだ。安は「(2023年杭州アジア大会決勝での)自分の負傷をあまりに安易に考えた代表チームに失望した」と明かし、「代表チームと共に行くのは難しいかなと思った」とチームからの離脱を示唆した。

 この発言の6時間後に行われたインタビューで、安は韓国代表のシステム全般に対する問題意識を示し、「選手たちを体系的にきちんと育ててほしい」として「選手に『今回がチャンスだ』と言うだけでなく、絶えずチャンスを与えながら管理しなければならない」と強調した。

 いつから発言を準備していたのかを問われると、初めて韓国代表に選ばれた18年からだと答え、「私が目標を定めて夢をかなえるまで、原動力は怒りだった」としながら「声を上げたかった。私の夢はある意味で『声』だった」と力を込めた。

 安はまず、シングルスとダブルスでは選手育成とトレーニング方法を変えるべきだと指摘した。

 シングルスとダブルスは別物だとして、監督やコーチ、練習方法もそれぞれ体系的に分ける必要があると説明。シングルスの選手はそれぞれスタイルが異なるが、画一的に扱おうとするために問題が生まれるのではないかと分析した。

 また、これまでは国際大会で好成績を残したダブルスを中心にチームが運営されてきたとして、「いつもダブルスが良い成績を収めていたので、治療や練習ではダブルスの選手が優先された」と明らかにした。

 そのため、安は個人トレーナーをつけたいという意見を常に表明してきたという。今大会でも台湾や中国の選手には個人トレーナーやコーチが帯同していたとして、やるせない思いをにじませた。

 安はまた、韓国代表の練習方法についても効率性が低いと主張した。

 筋力トレーニングのプログラムが1年中同じで、練習方法も数年前から変わっておらず、負傷の危険性が高いと指摘。負傷しないように練習するか、負傷すればきちんと処置をするべきだが、負傷しても練習方法は変わらず、結局試合に出られなくなると語った。

 安は、大韓バドミントン協会の一方的な意思決定についても批判した。

 フランス・オープンとデンマーク・オープンで十分な説明もないまま出場選手から外されたとし、「(説明を)聞くこともできないシステムと雰囲気だ。大会が終われば終わりという状況で、私から聞く機会がない。ミーティングすらない」と説明した。

 インタビューの最後に、安はこう伝えた。

 「協会とスポーツ界の関係者は全員、これらの問題を回避したり先送りにしたりするのではなく、責任を負ってほしい」

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