■「先輩にもキッパリ」「自ら目標設定」MZ世代の選手たちは「闘魂」も人一倍
「MZ世代」(1980年代前半から2010年代にかけて生まれた世代)の選手は指導者と考え方が違うとすぐに自分の意見をキッパリ言う。さらに、かなり年上の先輩にも言うべきことは言う雰囲気がある。フェンシング男子韓国代表の都憼東(ト・ギョンドン、24)は団体戦で一番年上の具本佶(ク・ボンギル、35)に試合途中で「しっかりして」と言ったり、「ダメなら僕がいつでも後から出るから、自信を持ってやってください」と激励したりした。具本佶は「私を信じてくれ、自信を持たせてくれた後輩たちに感謝する」と語った。
また、メンタルが強く「身震いする瞬間」で大胆に行けるのもMZ世代の選手たちの強みだ。射撃女子25メートルピストル金メダリストの梁智仁(ヤン・ジイン、21)は「私の座右の銘は『何とかなるだろう』だ。瞬間ごとに自分でできる限り頑張るのが目標だ」と言った。
強圧的な練習方式は消えて久しい。選手たちは五輪出場に必要な世界ランキングに入るため、練習と国際大会の目標を自ら設定し、体調を管理する。競泳男子400メートル自由形銅メダルの金禹旻(キム・ウミン、22)は、2022年に大韓水泳連盟が主導したオーストラリアでの訓練が自分によく合うと判断し、今年初めに自ら再びオーストラリアを訪れて地獄の特訓をこなした。
その一方で、若い選手たちが韓国スポーツ伝統の美徳である「闘魂」や「献身」という価値観に共感し、これを実践していることにも注目する必要がある。柔道男子最重量級の100キログラム超級で銀メダルを取った金民宗(キム・ミンジョン、23)は、決勝で右膝靱帯(じんたい)を痛めたのにもかかわらず、翌日の団体戦に出場して韓国初の銅メダル獲得に貢献した。卓球男子代表の林鐘勲(イム・ジョンフン、27)は脊椎(せきつい)の骨が神経や筋肉を刺す痛みに耐えながら、パートナーの申裕斌(シン・ユビン、20)と混合ダブルスで銅メダルを取った。林鐘勲は「国際大会でメダルを取って帰っることが国に対する恩返しだと考えてきた。腰が折れて試合ができない状況にならない限り、やらなければならないと思った」と語った。
パリ=イ・ヨンビン記者、ペ・ジュンヨン記者、キム・ミンギ記者