7月21日、バイデン氏が大統領選候補を辞退する方針を表明し、ハリス氏が事実上の民主党候補となると、中国メディア「ZAKER」は「結局米大統領選で競うのは知名度であり、誰が出るかは重要ではない」と評した。新華社系の週刊誌「瞭望」は「トランプとハリスの対決は分裂した『二つの米国』を示すものだ」と書いた。
エコノミストは、中国は米国との関係を改善しようとした1980年代までは米大統領選を肯定的に評価したが、米国が国際社会の構図を「民主主義対権威主義」と規定すると態度が変わったと指摘した。1988年に共和党のブッシュ氏と民主党のドゥカキス氏が争った米大統領選では、民主党がアトランタで開いた党大会に中国代表団12人を派遣した。1988年、全米政治学会(APSA)の招きで6カ月間米国で大学の訪問教授を務めた王滬寧・現人民政治協商会議(政協)主席(中国序列4位)は1991年に出版した本で、米大統領選での討論について「この手続きは非常に興味深く、開放性が高い」と評価した。
しかし、中国はもはや気楽に米大統領選を「見物」することはできない立場に置かれている。米国では二大政党がいずれも中国に対するけん制と抑制が重要だと考えており、自由主義秩序を脅かす主要勢力として中国を挙げているからだ。中華圏メディアは「対中問題でハリスはさらに一貫してバイデンの政策を継承し体系化し、中国を圧迫するだろう」と分析した。
トランプ氏による2期目の政権が発足する場合には、不確実性が高まることが問題だ。中国の不公正な貿易慣行を非難し、関税のハードルをさらに上げ、果敢な外交政策を展開することを懸念する。トランプ前政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたロバート・オブライエン氏は先月、外交専門誌フォーリン・アフェアーズで「習近平は毛沢東以来、中国で最も危険な指導者」だと評価し、「米国は冷戦時代にソ連経済を弱体化させようとしたように、中国にも行動を取らなければならない」と述べた。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員