韓国の情報機関である国家情報院は29日「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は体重が140キロの超高度肥満状態にあり、心臓疾患高リスク群に相当する」と報告した。北朝鮮は高血圧、糖尿病関連で金正恩総書記に処方してきた薬を変更するため、海外で別の薬を探すよう指示したという。国家情報院はこれらの徴候をすでに把握したようだ。北朝鮮はまた金正恩総書記の娘のキム・ジュエ氏について現時点で有力な後継者であることを暗示しており、後継者教育もすでに進めているという。
【Photo】ヒップホップ系ファッションでランウェイを歩く金正恩総書記
国家情報院は同日、国会情報委員会で上記の内容について報告を行った。情報委員会の与野党幹事である与党・国民の力の李成権(イ·ソングォン)議員、野党・共に民主党のパク・ソンウォン議員が伝えた。国家情報院によると、金正恩総書記は体格指数(BMI)が正常値の25を大きく上回る40の中盤に達しており、ストレス、たばこ、酒などがその主な原因とみられるという。これら健康状態に関する一連の内容も国会に報告された。
国家情報院によると、金正恩総書記は30代初めから高血圧と糖尿の症状が出始めており、今後も今の健康状態を改善しない場合、家族の病歴がある心臓血管系の疾患が出る可能性があることから綿密に追跡しているという。その上で国家情報院は「金正恩総書記の高血圧、糖尿病については海外から治療薬を求めるよう指示した動きがある」「これまでの薬では対応できない症状も一部で出始めたと推定できる」とも伝えた。
国家情報院は北朝鮮の後継者について「北朝鮮ではキム・ジュエ氏について、後継者や首領だけに使う『嚮導(きょうどう)』という言葉を使った。ここから考えると後継者構図はかなり固まりつつあるとも予想できる」としながらも「現時点では最終的に後継者は定まっておらず、変わる可能性も排除できない」との見方を示した。「嚮導」とは「革命闘争で進むべき道を明確にする」という意味だという。北朝鮮は現時点でまだ若いキム・ジュエ氏に対する国民の反応を意識し、宣伝のレベルや外部への露出頻度を調整しながら非公開活動を並行して進めているという。
先月行われた北朝鮮とロシアとの首脳会談について国家情報院は「1961年のソ連と北朝鮮との(軍事)同盟レベルに達する条約に復元されたと判断している」との見方を示した。ただし現時点で本当にロシアと北朝鮮の軍事同盟であるかは明確にしていない。国家情報院は「北朝鮮は軍事教育や海軍代表団の派遣を通じて軍事交流の基盤を固め、北朝鮮労働者をロシアに派遣する準備を進めている」とも説明した。今年5月27日に北朝鮮が打ち上げた万里鏡1-1号を搭載したロケットについて国家情報院は「新型エンジンが事前に開発された形跡はなく、液体酸素とケロシン(灯油)を初めて使った点などを考えると、ロシアから支援を受けたエンジンだった可能性が高い」との推測を示した。
米外交協会のスミ・テリー氏が米国政府に申告せず、韓国政府のために活動した容疑で米連邦検察に起訴された事件について国家情報院は「韓米同盟には一切支障はない」とした上で「韓米間の情報協力には問題がなく、むしろさらに拡大している」と報告した。
キム・ジョンファン記者