【ソウル聯合ニュース】北朝鮮がごみなどをぶら下げた風船を韓国に向けて飛ばしている問題で、これまでに仁川国際空港で安全確保のため滑走路が計12回運用を停止したことが分かった。風船の落下により乗用車のフロントガラス破損や住宅屋上での火災発生といった被害が出て住民の不安が高まる中、韓国を代表する国際空港の安全も脅かされているとして対策を求める声が出ている。
ソウル地方航空庁から国会行政安全委員会所属の野党議員が30日までに提出を受けた資料によると、北朝鮮の風船が原因で仁川空港の滑走路の運用が停止されたのは今月23日までに12回で、計265分間にわたった。
同庁は風船が一定の距離を超えて空港に接近した場合、安全のため滑走路の運用を中断している。最も長時間、離着陸に支障が出たのは先月26日で、8回にわたり計166分間、滑走路の運用が停止した。
野党議員は北朝鮮の風船が韓国大統領室庁舎の敷地内に落ちたことに加え、仁川空港の運用や航空機の運航など多方面に影響が出ていると指摘。韓国の脱北者団体が北朝鮮に向けて体制批判ビラを飛ばすことに反発して北朝鮮がごみをぶら下げた風船を韓国に飛ばすという悪循環を、一日も早く断ち切るべきだと強調した。