人事聴聞会に三日もかけたのに…韓国野党、「李真淑候補を検証する」と称し大田MBCへ

 韓国放送通信委員会の委員長候補となった李真淑(イ・ジンスク)氏の過去の法人カード流用疑惑を確認するとして、共に民主党が27日、大田市内の大田文化放送(大田MBC)で現場検証に乗り出した。長官級の高位公職候補者としては初めて三日間(24-26日)かけて人事聴聞会を行ったのに続き、前例のない現場検証まで行い、李真淑氏が辞退するよう圧力をかけているのだ。与党・国民の力は「公営放送局の脅迫を目的とした巨大野党の威力アピールだ」と言っている。

 国会科学技術情報放送通信委員会の金玄(キム・ヒョン)議員、盧宗勉(ノ・ジョンミョン)議員、李政憲(イ・ジョンホン)議員、黄靖雅(ファン・ジョンア)議員=以上、共に民主党所属=は同日、李真淑氏が社長を務めていた大田MBCを訪れた。国民の力所属の科学技術情報通信委員らは「現場検証は候補者を恥さらしにするためものだ」として参加しなかった。共に民主党と放送通信委員らは、チン・ジョンジェ現・大田MBC社長らに対し、李真淑氏の法人カード使用明細のうち、接待費関連の明細を提出するよう要求した。MBC労働組合は人事聴聞会の過程で共に民主党側に対し、李真淑氏が大田MBC社長だった時に使っていた冷蔵庫の写真・映像なども資料として提出したという。共に民主党の李政憲議員は「確保した映像によると、冷蔵庫の中に封を切ったワインもあった」と語った。李真淑氏の法人カードで購入されたワインを、同氏が個人的に飲んでいたのではないかという疑惑を提起したものだが、大田MBCでこのような流用疑惑を確認するために現場検証に乗り出したのだ。

 共に民主党と放送通信委員らは、李真淑氏が大田MBC社長だった時に居住していた社宅近くの製パン店にも行った。李真淑氏が社長の座を退いた日、この製パン店で53万4000ウォン(現在のレートで約6万円)を法人カードで決済したことを疑っているのだ。李真淑氏は「パンを購入して社員らに配った」と釈明しているが、共に民主党は「受け取ったという人は確認できなかった」と主張した。共に民主党と放送通信委員らは28日、現場検証を行ってソウルに戻った後も記者会見を行い、「李真淑氏は与えられた限度額の2倍もの額で法人カードを使用したことが明らかになったが、超過分に対する証拠は1件もなかった」と主張した。同党はさらに、「李真淑氏の無断欠勤を裏付ける根拠も出てきた。社長決裁が約1カ月間行われていなかったことが資料で証明された」とも主張した。

 共に民主党は来月2日に科学技術情報放送通信委員会の全体会議を開き、李真淑氏を呼んで懸案に関して質疑を行う方針だ。共に民主党が三日間にわたる聴聞会の終了後も攻勢の手をゆるめていないのは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が近日中に李真淑氏を任命し、放送通信委員会がMBCの筆頭株主である公益法人「放送文化振興会」の新理事陣選任議決手続きを終えるものとみられているためだ。新理事陣が構成されれば、野党の性向が強い現在のMBC社長ら経営陣も交代となる可能性が高い。国民の力の崔秀珍(チェ・スジン)首席報道官は「何としてでもあら探しをしようとしている野党の執拗(しつよう)さにあきれている。いっそのこと放送通信委員会を解体し、公営放送を共に民主党傘下に置く法案を党論として採択すればいい」と言った。

チュ・ヒヨン記者

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  • ▲韓国国会科学技術情報放送通信委員会の金玄(キム・ヒョン)幹事をはじめとする野党・共に民主党所属の委員たち。放送通信委員会の委員長候補となった李真淑(イ・ジンスク)氏が大田文化放送(大田MBC)の社長だった時に使用した法人カードの使用明細を調べるため、27日に大田MBC本社に入った。写真=聯合ニュース

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