佐渡金山に強制徴用の歴史展示で韓日が合意...ユネスコ世界文化遺産登録へ

 日本政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産登録を進める佐渡金山について、韓国政府はこれまで「全体の歴史」の反映を求めてきたが、これと関連して日本政府は朝鮮人労働者の歴史を現地で展示することでほぼ合意した。日本が全体の歴史について一定レベルの反映を約束したため、佐渡金山の世界文化遺産登録が有力視されている。

【写真】ユネスコ世界文化遺産に登録された韓国の「伽倻古墳群」

 佐渡金山は新潟県佐渡島にある江戸時代(16-19世紀)の金鉱だ。日帝は太平洋戦争中に佐渡金山を銅や鉄など戦争に必要な物資の確保に利用し、多くの朝鮮人を強制労働させた。

 26日付の朝日新聞によると、韓日両国は佐渡金山現地に朝鮮人労働者の歴史を展示することで合意した。

 ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)は先月、佐渡金山について「登録に足る価値があると判断している」としながらも、複数の指摘があることから「保留」を勧告していた。その後、韓日両政府はこの点について協議を進めてきた。

 朝日新聞は「韓国側の要求について、日本政府はある程度歩み寄る方針を決め、朝鮮人労働者の存在を現地の展示で紹介することと、この点をユネスコの世界遺産委員会(WHC)で表明する方針を決めた」と伝えた。

 韓国外交部(省に相当)も26日「困難な過程を経て韓日の合意が何とか最終段階に到達しており、今後特別なことがない限り、明日の会議で韓日の投票対決なしに佐渡金山の世界遺産登録を予想している」とコメントした。

 インドのニューデリーで開催されている第46回ユネスコ世界遺産委員会(WHC)では佐渡金山をはじめとする28の新規登録案件の審査が行われ、佐渡金山は27日に審議が行われる予定だ。世界遺産登録については慣例で21の委員国の全回一致により決まるが、韓国も委員国となっている。

 ICOMOSは先月3項目の勧告事項(商業採掘再開禁止、江戸時代後の遺産が多く残る区域の除外、日本遺産の緩衝地域拡張)に加え追加勧告を行い「全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明と展示戦略を立て、施設・設備などを準備すること」と要求した。佐渡金山の「全体の歴史」を反映すべきとする韓国の主張に沿った内容だ。

 日本政府は以前から3つの勧告については受け入れる方針だったが、「全体の歴史」の反映については立場を明確にしてこなかった。そのためこの点をめぐり韓日両国政府の協議の結果が佐渡金山登録の最大の変数となっていた。

 ただし最近になって日本が「全体の歴史」の反映を約束したことで、韓国外交部は「ユネスコ世界遺産への登録が有力になった」と説明している。

チョン・ジェウォン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲佐渡金山のトンネル/news1

right

あわせて読みたい