中国eコマース企業の通販サイト「アリエクスプレス(AliExpress)」が韓国の個人情報保護法に違反し、課徴金19億7800万ウォン(約2億1800万円)を科せられることになった。 個人情報保護委員会が25日、「アリエクスプレスに課徴金19億7800万ウォンと過料780万ウォン(約86万円)を科することを議決した」と発表した。また、是正勧告・命令も同時に下すことにした。同委員会が中国の通販サイトを制裁するのは今回が初めてだ。
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アリエクスプレスは消費者と販売業者をつなぎ、仲介手数料を受け取る一種の「オープン・マーケット」だ。買い物をすると配送・決済などのために注文者の住所・電話番号といった個人情報が販売業者に渡される。
個人情報保護法によると、個人情報を海外業者に渡す場合、該当業者が属する国・法人名・連絡先などを注文者に告知した上で同意を得なければならないが、アリエクスプレスはこのような内容を明確に知らせないまま、個人情報提供(移転)の同意を受けていたことが調査で分かった。同委員会によると、昨年末時点で韓国の消費者が利用したアリエクスプレスの販売業者は約18万社で、そのほとんどが中国の会社だという。同委員会関係者は「あいまいな個人情報処理方針を提示し、包括的な同意を得てきたものと把握されている」と語った。
アリエクスプレスはまた、販売業者と契約をする際、契約書に注文者の個人情報をどのように保護するかなどの方法を明記していないことも分かった。例えば、契約書に「一定期間が過ぎたら注文者の個人情報を破棄する」「個人情報が流出した場合、民事・刑事上の責任を負うことがある」などの内容が含まれていないということだ。
さらに、アリエクスプレスは退会メニューが見つけにくくなっているため消費者にとって退会が難しく、会員アカウントを削除するためのホームページも英文だけになっていることが確認された。
同委員会は昨年10月の国会国政監査で「中国通販サイト利用者の個人情報は中国に流出する恐れがある」と指摘されたのを受けて、調査に着手した。しかし、実際に韓国の消費者の個人情報が流出したかどうかは把握できていない。アリエクスプレス側は「個人情報処理方針を改正するなど自主是正した」としている。
同委員会はまた、別の中国通販サイト「Temu(テムまたはティームー)」の個人情報保護法違反の有無についても審議・議決する方針だ。
崔燕真(チェ・ヨンジン)記者