韓国の大手芸能事務所SMエンターテインメントを巡る株価操作疑惑で、大手インターネットサービス企業「カカオ」の創業者で同社経営刷新委員長の金範洙(キム・ボムス)容疑者が23日に逮捕された。
ソウル南部地方裁判所の韓政錫(ハン・ジョンソク)令状担当部長判事は22日に金範洙容疑者に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を開いた。この結果、「証拠隠滅・逃亡の恐れがある」として23日午前に逮捕状を発行した。
22日午後1時43分ごろ、同地裁に到着した金範洙容疑者はスーツ姿で、検察の護送車から降りて法廷に向かったが、「株価操作疑惑を認めるか」との報道陣の質問に何も答えなかった。令状実質審査は約4時間行われた。同日午後6時ごろ、地裁から出てきた金範洙容疑者は検察の護送車に乗ってソウル市九老区の南部拘置所に移動し、令状審査の結果を待った。
検察は昨年2月、カカオがSMエンターテインメントの経営権買収戦に乗り出した時、ライバル芸能事務所HYBE(ハイブ)の株式公開買い付け(TOB)を妨害する目的で、私募ファンド運用会社「ワン・アジア・パートナーズ」と共謀し、SMエンターテインメントの株価をTOB価格(12万ウォン=現在のレートで約1万4000円)より高く相場を操作したとみている。金範洙容疑者はこれを指示したり、報告を受けたりすることで、株価操作の過程全般に介入した容疑が持たれている。
検察は、金範洙容疑者とカカオ投資総括代表・裵宰鉉(ペ・ジェヒョン)被告らが出席したカカオ投資審議委員会で株価操作が承認されたとみている。また、「金範洙容疑者が私募ファンドを通じて投資し、友好的な個人株主を確保しろと言った」という趣旨のカカオ役員・社員間のメッセージをはじめ、金範洙容疑者の容疑を裏付ける人的・物的証拠を確保したとのことだ。
金範洙容疑者は容疑を否認している。同容疑者は9日と10日に行われた出頭調査時、カカオが「SMエンタ株式の市場における買収を報告された」としながらも「具体的な買収方式については報告がなかった」として、容疑を否認したという。また、同容疑者は18日、カカオの板橋社屋(京畿道城南市)で臨時グループ協議会を開き「現在持たれている容疑は事実ではない」「いかなる違法行為も指示したり、容認したりしていないのだから、最後には事実が明らかになると信じている」と語っていた。
これより前に同じ容疑が持たれていたカカオ投資総括代表・裵宰鉉被告は昨年11月に逮捕・起訴されたが、今年3月に保釈され、裁判を受けている。カカオ側と共謀した容疑で今年4月に逮捕・起訴されたワン・アジア・パートナーズ代表は同日午前、保釈された。
キム・ミンソ記者