尹大統領夫人の事情聴取で「原則守られず」 蚊帳の外だった検事総長が激怒

【ソウル聯合ニュース】韓国の李沅ソク(イ・ウォンソク)検事総長は22日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏の株価操作疑惑と高級バッグ授受疑惑を巡り、ソウル中央地検が金氏を地検ではない第三の場所で事情聴取を行ったことについて「わが国の法の前に例外も、特恵も、聖域もないと申し上げたが、大統領夫人を調査する過程でこれら原則が守られず、結果的に国民との約束を守ることができなかった」として謝罪した。

 また、地検が取り調べを自身に事前報告せず、20日の聴取開始から約10時間後に知らせたことに関して「検察庁をしっかり率いることができなかったのも全て私の責任」としながら「国民に深くおわび申し上げる」と述べた。

 その上で、取り調べを事前に知らされなかったことについてソウル地検トップから直接報告を受ける予定だとして、真相を確認して相応の措置を取ると説明した。

 金氏の取り調べに際し検事総長が事実上無視されたという見方も出る中、一部では李氏が辞意を表明する可能性も取り沙汰された。

 これに対し、李氏は「憲法の原則を守ると約束したため、私ができることに最善を尽くし、それが足りなければその時に去就について判断する」と述べるにとどめた。

 李氏は2022年5月に大検察庁(最高検)次長として赴任し、検事総長代行を務めた後、同年9月に正式に検事総長に就任。今年9月に任期満了を控えている。

 大検察庁は21日、「金氏の取り調べ過程について検事総長や大検察庁の幹部は誰も報告を受けていない」として「検事総長はこの状況に深く悩んでいる」と不快感をあらわにした。

 李氏は報告を受けて激怒し、周囲に進退について言及したという。

 一方、ソウル中央地検は株価操作疑惑においては検事総長の捜査指揮権が排除されており、避けられない面があったとの立場を示している。

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