ソウル中央地検、金建希夫人を事情聴取…後から報告受けた検察総長は激怒

中央地検、現職大統領の夫人を初召喚…13時間にわたり事情聴取

検察総長、召喚について事後報告受け「進退悩む」

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の配偶者、金建希(キム・ゴンヒ)夫人が20日、「ドイツ・モーターズ株価操作疑惑」と「ディオールのバッグ授受疑惑」で13時間近く検察の事情聴取を受けた。現職大統領夫人の検察召喚による事情聴取は初めてだ。

【Photo】ジル・バイデン米大統領夫人と対面した金建希夫人(23年9月)

 約4年3カ月先送りされていた聴取が行われたものだが、金建希夫人の聴取状況が検察総長(検事総長に相当)に事後報告されたことで、新たな騒動を引き起こしている。イ・ウォンソク検察総長は周辺に「パッシング(無視・ないがしろに)された。進退について真剣に考えている」と激怒した一方で、李昌洙(イ・チャンス)ソウル中央地検長は「聴取は絶対に必要だった。何とかして聴取をしようと考えてしたことだ」と話したという。

 ソウル中央地検反腐敗捜査第2部(崔宰熏〈チェ・ジェフン〉部長)と刑事第1部(金昇鎬〈キム・スンホ〉部長)は21日、「金建希夫人に対し出頭を要求した。協議の結果、警護と安全上の理由で20日、ソウル中央地検管轄内の政府保安庁舎に召喚し、対面で聴取を行った」と明らかにした。元大統領の夫人まで含めると、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の李順子(イ・スンジャ)夫人、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の権良淑(クォン・ヤンスク)夫人に続き、大統領夫人としては3人目の事情聴取だ。金建希夫人は被告発人として昼12時30分からソウル市鍾路区内の大統領警護処付属庁舎に出頭し、翌日午前1時20分まで事情聴取を受けたという。

 反腐敗捜査第2部は2009年から12年にかけて、輸入自動車販売会社「ドイツ・モーターズ」のクォン・オス元会長が主導した株価操作の過程で、金建希夫人が資金と口座を援助したという疑惑(資本市場法違反など)に関して4年以上にわたり捜査している。刑事第1部は金建希夫人が尹大統領就任後の2022年9月13日、在米韓国人牧師チェ・ジェヨン氏から請託を受け、300万ウォン(現在のレートで約34万円)相当の高級ブランド「ディオール」のバッグを受け取った疑惑(請託禁止法違反)を捜査している。

 金建希夫人側の弁護人は「誠実に聴取に臨み、事実をありのままに述べた」と話した。大統領室は同日、金建希夫人の検察聴取について正式にコメントしなかった。

 検察では、李昌洙ソウル中央地検長が、金建希夫人が出頭してから10時間経った後、イ・ウォンソク検察総長に金建希夫人の聴取状況を報告したため、騒動になった。大検察庁(最高検察庁)の関係者は「金建希夫人の聴取について、検察総長はもちろん、大検察庁の幹部の誰も報告を受けていなかった。前例のないことだ」と言った。イ・ウォンソク検察総長はこれまで「捜査に聖域はない」と語り、金建希夫人が直接検察に出頭して聴取を受けるべきだという見解を示していた。

 これに対して、ソウル中央地検の関係者は「ドイツ・モーターズ株価操作事件は検察総長の捜査指揮権が排除されているため、報告は適切でないと判断した。ディオール・バッグ事件は金建希夫人が処罰対象ではないことや、聴取そのものが不透明で報告が遅れた」と語った。

イ・スルビ記者、ユ・ジョンホン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の配偶者、金建希(キム・ゴンヒ)夫人。写真=聯合ニュース

right

あわせて読みたい