「新型コロナウイルス感染症への感染が精神疾患のリスクを高める」という韓国人と日本人を対象にした大規模な研究結果が発表された。
慶熙大学付属病院「慶熙医療院」のヨン・ドンゴン教授とキム・ソンヨン教授、延世大学付属病院「セブランス病院」のシン・ジェイル教授らの共同研究チームは、新型コロナへの感染が精神疾患的後遺症の危険性にどのような影響を及ぼすかを調べるための研究を行った。この研究では韓国人約1000万人、日本人約1200万人を対象に大規模な医療ビッグデータを構築し、新型コロナ感染によるうつ病・不安障害・不眠症・認知機能障害など、神経症・精神疾患的合併症の発生率を分析した。
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分析の結果、新型コロナに感染した人は、他の呼吸器感染症患者や一般人口に比べて精神疾患的後遺症を経験する割合が70%高いことが分かった。特に、ギラン・バレー症候群、認知機能の低下、不安障害、脳炎、虚血性脳卒中、気分障害など、さまざまな疾患で長期的なリスクが顕著に高まっていた。
また、新型コロナワクチン接種は精神疾患的合併症のリスクを減少させることも分かった。ワクチンを接種していない患者に比べて、1回接種した場合は合併症のリスクが30%減少し、2回接種した場合は89%減少した。
キム・ソンヨン教授は「新型コロナの中でも、4週間以上症状が続く『ロング・コロナ(Long COVID)』を経験する患者は不安・うつ・不眠などを訴えるケースが多い。このような患者に対する治療と診断を提示するため、今後もロング・コロナ患者に対して引き続きモニタリングが必要だ」と語った。
ヨン・ドンゴン教授は「この研究は慶熙医療院の研究チームが多国籍研究チーム(スペイン・英国・フランス・スウェーデン・ギリシャ・カナダ)を組織し、主導的に進めた研究だ。世界保健機関(WHO)が推奨する新型コロナワクチンが精神疾患的ロング・コロナを予防できるという可能性を世界で初めて示した証拠になるだろう」と述べた。
今回の研究結果は人間行動学に関する国際学術誌『Nature Human Behaviour(ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビアー)』でこのほど発表された。
オ・サンフン記者