韓国軍 対北朝鮮宣伝放送を毎日実施へ=風船散布に対抗

【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は19日、北朝鮮の風船散布に対抗して南北軍事境界線付近で再開した拡声器を使った宣伝放送を当分の間、毎日続ける方針を示した。

 また同本部は北朝鮮がごみなどをくくり付けた風船の散布など挑発行為を続ければ、宣伝放送の全面的な実施などさらに強力な措置を取ると警告した。

 軍当局は北朝鮮の風船が18日午後から19日未明にかけて飛来したことを受け、南北軍事境界線の西側に設置された固定式拡声器の一部を稼働させた。

 北朝鮮の風船散布に対抗して拡声器を使った宣伝放送を行ったのは先月9日以来、39日ぶり。

 合同参謀本部の関係者は、当分の間、西部、中部、東部に設置された拡声器を順番に一部だけ稼動する予定と説明した。

 軍当局は北朝鮮が風船散布を引き続き準備している状況を確認したとみられる。

 合同参謀本部は同日出した報道資料でも、風船の準備活動が続いていることを看過できないと判断したと説明した。

 北朝鮮は5月28日からこの日未明まで計8回にわたりごみなどをぶら下げた風船を韓国側に飛ばした。

 先月9日の宣伝放送後も北朝鮮は風船の散布を続けたが、軍当局は北朝鮮に態度の変化を促し宣伝放送を控えていた。だが、その後も風船の散布が続いたことを受け、軍当局は先月27日に宣伝放送を再開すると警告。今回の散布を受けて実行に移した。

 合同参謀本部は「このような北の行動は明白に休戦協定に違反するものであり、わが国民の日常に危険をもたらす稚拙で低級な行為」とし「わが軍はこれまで我慢し、北に数回にわたって警告し、自らこのような行為を中止する機会を与えたが、北はこれを無視した」と指摘した。

 また「特に集中豪雨で南北ともに甚大な被害が発生した状況で、再び卑劣な行為を繰り返した」とし「このような事態のすべての責任は全面的に北にある」と非難した。

 軍当局は、北朝鮮が風船の散布やそのほかの挑発行為を強行すれば、拡声器の数を増やす方針だ。

 軍関係者は「今回は10台未満の固定式拡声器だけを使用したが、北の挑発が続けば拡声器の数を増やし、最終的には前線に設置された拡声器が全て稼動する可能性もある」と説明した。

 拡声器は2018年4月の南北首脳による「板門店宣言」を受けて撤去されるまで最前線に固定式が24台、移動式が16台あった。

 今年4月から北朝鮮軍が非武装地帯(DMZ)の北側地域で大規模な兵力を動員して地雷埋設などの作業を進めていることを踏まえ、昼間の時間帯に拡声器による放送を実施する可能性もある。これまで2回の放送は、夕方や未明に行われた。

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