盧英敏(ノ・ヨンミン)元大統領秘書室長と金賢美(キム・ヒョンミ)元国土交通部長官による天下り就職あっせん疑惑を捜査している韓国検察当局は、疑惑の当事者である李ジョン根(イ・ジョングン)元民主党事務副総長が周辺に「盧元室長が自分にCJ系列会社に行けと先に提案した」と発言した録音記録を確保していることが17日までに分かった。
ソウル中央地検は盧元室長と金元長官が物流分野の専門性のない李氏ら政界関係者2人を韓国複合物流の常勤顧問に就任させるため、国土交通部の職員を通じ、同社に影響力を行使した疑いがあるとみて捜査している。最近盧元室長と金元長官の自宅などを捜索した。
検察は李氏が2020年8月25日、あるホテルで実業家P氏に会い、「(盧)秘書室長が自分にCJのどこに行けと言った。それでそれを相談しに行った」と話す内容がいわゆる「李炡根録音記録」に含まれている事実を確認した。李氏は「秘書室長が私にCJに行けと言ったが、私は行かないと言った。CJ本社でもなく、系列会社だ」とも発言しているという。
李氏は同年8月、CJが全額出資する韓国複合物流に就職し、1億ウォン(約1130万円)の年収を受け取った。検察は李氏が総選挙で落選後、盧元室長に会い、その直後に盧元室長に「室長、チャンスだけ(ください)」という携帯メールを送った事実をつかんでいる。李氏は2021年初め、盧元室長と一緒にいる際、P氏の電話に出たのだが、その際に盧元室長は「李炡根委員長とはとても特別な付き合いだ。会長にはこれからたくさん助けてほしい」と依頼したという。
李氏はP氏から10億ウォンを受け取ったとして起訴され、懲役4年2月の刑が確定し服役している。
兪鍾軒(ユ・ジョンホン)記者