韓国「代理人」活動で米検察に逮捕・起訴された元CIA分析官、保釈金50万ドル支払って釈放

米司法省、「見せしめ」起訴という趣旨を明らかに

 米中央情報局(CIA)の対北分析官出身の韓半島専門家、スー・ミ・テリー氏(54、韓国名:キム・スミ、外交問題評議会〈CFR〉先任研究員〈シニアフェロー〉)が16日、米国政府に通報することなく韓国政府のために働いた容疑で、連邦検察によって起訴された。さらに米司法省は17日、被告は起訴に続いて当局に逮捕されたと発表した。テリー研究員はおよそ10年にわたり、高価なバッグや衣類、高額の現金などの提供を受けた代価として、韓国政府に米国の非公開情報を渡してきた疑いなどが持たれている。

【Photo】マンハッタンの高級レストランで韓国情報機関の幹部2人と食事をしているスー・ミ・テリー研究員

 テリー研究員はこの日、保釈金50万ドル(現在のレートで約7800万円、以下同じ)を支払って逮捕当日に釈放された。

 テリー研究員を起訴したデミアン・ウィリアムス連邦地方検事はこの日、司法省の報道資料で「元CIAおよびホワイトハウス職員だったスー・ミ・テリーは、韓国の情報機関に接近し、情報および擁護を提供するために外国代理人登録法(FARA)に違反した」とし「被告はブランド品のハンドバッグ、高価な食事、公共政策プログラムのための数千ドル(1000ドル=約15万6000円)の資金支援を代価として、自らの地位と影響力を韓国政府に売り渡した疑いが持たれている」と伝えた。さらに「今回の起訴は、自らの専門性を外国政府に売り込みたいという誘惑に駆られている公共政策担当者らに、もう一度考えて法を順守すべきだという明確なメッセージを伝えるもの」とコメントした。

 米連邦検察がテリー研究員の起訴に伴って韓国情報当局の諜報(ちょうほう)活動を詳細に明らかにしたことを巡り、米国政界からは「同盟関係とは別に、韓国情報当局が非公式なルートを通して情報活動をしていることに対し『警告メッセージ』を出すもの」という見方が出ているが、米国政府がこのような方針を公にした。

 連邦捜査局(FBI)ニューヨーク支局のクリスティー・M・カーティス副支局長代行(Acting Assistant Director)も「国家安全保障を損なうことはわれわれの防御を弱め、生命を危険にさらすものであって、あらゆる米国人を危険にさらす」「元CIAおよびホワイトハウス職員だったスー・ミ・テリーは、未登録の韓国エージェントとして活動した容疑で逮捕された」というステートメントを出し、さらに「テリー被告は10年以上もの間、幾度もの警告にもかかわらず、自らの役割を悪用して外国政府の追求する議題を推進した容疑が持たれている」「テリー被告は米国政府のセンシティブな(微妙な)情報を韓国情報機関に漏らし、自らの地位を利用して韓国にとって有利な方向へと米国の政策に影響力を及ぼし、金品やぜいたく品を受け取った疑いが持たれている。彼女の行為は国家安全保障に深刻な脅威となった」と説明した。

 また、カーティス副支局長代行は「今回の逮捕は、FBIが、外国のスパイと協力して国家安全保障を脅かす者は誰であろうと最後まで追跡し、逮捕するという明確なメッセージを伝えるもの」と述べた。

ミルウォーキー=イ・ミンソク特派員

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